新型ロータス・エレトレ Sへ試乗 「5.1m」が小さく感じる敏捷性! 歴代最高のインテリア
0-100km/h加速4.5秒のハイパーSUV
ロータスの新しい旗振り役、大きな電動SUVのエレトレがグレートブリテン島のアスファルトを踏んだ。筆者は、この日を待っていた。 【写真】5.1mが小さく感じる敏捷性! 新型ロータス・エレトレ S サイズが近い電動SUVは? (170枚) もちろん、技術センターは同島東部のノーフォーク州ヘセルで変わらない。今回試乗したのも、その周辺。ちなみに設計はドイツで、生産は中国だ。ロータスは、このクルマをハイパーSUVと呼んでいる。 用意していただいたのは、ミドルグレードに当たる「S」。ベースグレードより装備は充実しているが、前後アクスルに1基づつ載るツインモーターによる最高出力は、611psと変わりない。 追って、トップグレードに当たる「R」も英国へ届けられる。こちらは、リアアクスルを担当する駆動用モーターが強化され、総合918psという最高出力を誇る。一般道で全力を引き出すのは、ほぼ不可能といっていいだろう。 エレトレ Sでも、0-100km/h加速は4.5秒。フロア下に敷き詰められる駆動用バッテリーは、実用量で109kWhもある。制御電圧は800Vで、急速充電能力は最大350kWまで対応する。試乗した一般道の周辺には、そこまで高性能な充電器はなかったが。 AUTOCARでは既に何度かご紹介済みだが、ボディサイズは大きい。全長は5103mm、全幅2019mm、全高1630mmもある。そのおかげで、車内空間もかなり広い。
ブランド歴代で最高のインテリア
インテリアの作り込みは、驚くほど高水準。軽さを追求する少量生産のスポーツカーの場合、ほぼむき出しのアリエルのように、内装を整えない方が手っ取り早い。エレトレ以前のロータスもかなり簡素といえたが、ブランド歴代の最高といっていい。 細部まで入念な印象で、別の自動車メーカーの技術者は、内装素材のコストを知りたいと話していたほど。開閉するリッド類などはソリッドで、金属に見える部分は本物の金属。細かな加工も施され、ベントレーの水準に並ぶといっても過言ではない。 ダッシュボードには、大きなインフォテインメント用タッチモニターが据えられるが、重要な車載機能には実際に押せるハードスイッチが与えられている。そのタッチも素晴らしい。人間工学的な仕上がりにも優れ、基本的にシステムも扱いやすい。 ただし、若干の不満もある。多能な運転支援システムが実装されるものの、速度標識の認識機能は誤認する場面が少なくなかった。オフにするには、タッチモニターのメニューを掘り下げる必要があり、スタート前に毎回時間を食われてしまう。 2列シートの定員は、4名か5名を選べる。試乗車は5シーターで、中央の後席でも膝前には充分な余地があった。 開口部の位置は高いものの、リアの荷室も広大。フロントのボンネットを開くと、充電ケーブル用の収納が姿を表す。