新型ロータス・エレトレ Sへ試乗 「5.1m」が小さく感じる敏捷性! 歴代最高のインテリア
引き締まった姿勢制御 電費はあまり伸びず
試乗車では、カメラとモニターがサイドミラーを担っていた。空気抵抗や風切り音が抑えられるとしても、筆者は本物の鏡の方が確認しやすいと考える。エレトレの場合、2000ポンド(約38万円)のオプションでもある。 ホイールのサイズは、Sでは22インチが標準。ガリキズのリスクを抑え、航続距離と乗り心地を優先するなら、無償オプションで20インチへサイズダウンも可能だそうだ。 様々なルートの平均で、今回の電費は3.3km/kWh。空気抵抗を示すCd値は0.26とかなり低いのだが、前面投影面積が大きく、動力性能にはかなりの余裕がある。エネルギー効率が伸びないとしても、不思議ではない。別途、エレトレ Rの電費も確かめたい。 アクセルペダルの操作に対する反応は良好。ステアリングホイール裏にある片側のパドルを弾くことで、回生ブレーキの強さを調整できる。 もう一方のパドルは、ドライブモードの切り替え用。グレートブリテン島の一般道では、スポーツ・モードよりツアー・モードの方がベターなようだ。 エレトレは、グレードを問わずエアスプリングが標準。アクティブ・アンチロールバーと後輪操舵システムは、Sの場合オプション。試乗車にも実装されていなかった。 路面からの入力に対する、衝撃の吸収性は充分。高速道路の速度域でも、路面次第では僅かに上下動は残る。それでも姿勢制御は引き締まり、ボディロールは最小限に抑えられていた。トラクションも素晴らしい。
ひと回りボディが小さく感じるステアリング
ステアリングホイールは丸くないが、ボディがひと回り小さく感じられるほど、操舵への反応は機敏で正確。勢いよく回すには、それなりの力が必要になる。 実際、試乗後に駐車場へ停めてみると、枠ギリギリなことに驚いた。慣れてしまうと、運転中はそこまで大きいとは感じられなかったからだ。 かつてのロータスのように、小さく軽いスポーツカーではない。しかし、平滑とはいえない英国の狭い道路にも、見事に順応してみせた。高性能な電動SUVというカテゴリーで、ライバルとは異なる、独自性を獲得していることは間違いないだろう。
ロータス・エレトレ S(英国仕様)のスペック
英国価格:10万5805ポンド(約2032万円) 全長:5103mm 全幅:2019mm 全高:1630mm 最高速度:257km/h 0-100km/h加速:4.5秒 航続距離:495km 電費:3.5km/kWh CO2排出量:- 車両重量:2520kg パワートレイン:ツイン永久磁石同期モーター 駆動用バッテリー:109.0kWh(実容量) 急速充電能力:350kW 最高出力:611ps(システム総合) 最大トルク:72.3kg-m(システム総合) ギアボックス:1速リダクション(四輪駆動)
マット・プライヤー(執筆) 中嶋健治(翻訳)