【沢田康文の欧州競馬リポート】サンクルー大賞Vドバイオナー 下半期の目標は香港ヴァーズ
フランスの古馬上半期最大のレース、サンクルー大賞(GⅠ、4歳上、芝・左2400メートル)が6月30日、パリ近郊のサンクルー競馬場で7頭によって争われ、英国から遠征したT・マーカンド騎乗のドバイオナー(愛国産、W・ハガス、騸6、父プライドオブドバイ)が快勝した。好位のインを進み、残り300メートルで先頭に立ち、2着フィードザフレームに1馬身¾差をつけてゴール。通算24戦8勝でGⅠは3勝目となった。 サンクルー大賞は1999年にエルコンドルパサーが勝ったレースで、その秋の凱旋門賞では2着。一昨年の優勝馬アルピニスタは凱旋門賞を制覇し、昨年の覇者ウエストオーバーも同2着と好走したが、ドバイオナーは騸馬のため秋の大一番への出走資格はない。マーカンド騎手は「2400メートルがぴったり」と話し、陣営は下半期の目標として香港ヴァーズ(12月8日、シャティン、GⅠ、芝2400メートル)への遠征を示唆した。なお、1番人気には昨年のジャパンCに出走(9着)したイレジンが推されたが、追い込み届かず4着に終わっている。 当日のサンクルー競馬場にはフランスで研修中の岩田望来騎手の姿があった。C・ルメール騎手からクリストファー・ヘッド厩舎、ジャン=クロード・ルジェ厩舎の紹介を受けて夏の2カ月間、現地で腕を磨く予定となっている。(在仏競馬記者)