みんな感じている「じつはわかりづらい」生成AIの使い道…ビッグテックが爆走中の「使いやすさ向上レース」と沈黙するアップルの「次の手」
アップルの「次の手」は……?
Google同様、アップルも以前からオンデバイスAIの価値を重視していた。 写真に写っている文字を認識してコピーしたり、通話からノイズを消して聴きやすくしたりと、iPhoneの中ではさまざまなAIが動いている。 5月に発表された最新の「iPad Pro」には、新しいプロセッサーである「M4」が搭載された。このM4には「Neural Engine」とよばれるNPUが搭載されているが、その性能は38TOPSと、Copilot+ PCに搭載される「40TOPS以上」に近く、かなり高い水準だ。 一方で、アップルは現時点で、マイクロソフトやGoogleのように明確な生成AI戦略を打ち出していない。高性能なNPUを使う価値を提示するのは急務であり、ハードウエアとしては準備が整っている状態に近いため、近く戦略が公開されるだろう。 具体的には、6月10日から開催される開発者会議「WWDC 2024」で言及されるのではないか。筆者も現地取材に行く予定なので、この連載でも追ってリポートしたい。 アップルの施策が打ち出されれば、今年の秋に向けて、スマホ・PC・タブレットと、個人が使うIT機器の「次の変化」が見えてくることになるはずだ。その観点からも、WWDC 2024に要注目だ。
西田 宗千佳(フリージャーナリスト)