関西の交通機関、24時間化の可能性は?
猪瀬直樹・東京都知事が4月の訪米時に、東京のグローバル化強化のため、「公共交通機関の24時間化」を目指すことを表明しました。関西国際空港を抱える関西の交通機関24時間化の可能性はどうなのでしょうか?
大阪市営地下鉄は終電時間を延長
関西では長い間、「大阪市営地下鉄の終電が周辺私鉄などと比べ早い」と市民の不満が多く、今年の3月23日に22年ぶりに市営地下鉄の終電が延長されました。車庫に向かう回送電車を活用することで延長を図るねらいもあります。橋下徹・大阪市長は、市営地下鉄などを管轄する交通局長に私鉄出身の藤本昌信氏を招へいするなど、交通局改革に意欲的で、終電延長もその一環といえます。 具体的には3月の新ダイヤで、利用客の多い御堂筋線で「梅田駅発新大阪駅行き」が25分延長され、午前0時19分発となるなど、計8路線で終電時間が10~30分延長されました。また、堺筋線でも乗り入れしている阪急電鉄とのダイヤ調整を行ったうえ今年度中に終電延長を実施する予定です。 ただ、市営地下鉄御堂筋線では、梅田から北行きの終点で、ベットタウンでもある千里中央駅(北大阪急行)行きや、南行きのなかもず駅方面の終電は現行のまま。「新大阪まで延長するだけではあまり意味がない」との声も出ています。 市交通局は「保守点検など、安全上の問題もあり、これ以上の終電延長は検討していない」と話しています。
関西国際空港と梅田へのアクセスは?
新関西国際空港会社は4月から、関西国際空港に接続するバス・高速船の運行時間を延長しました。深夜は最大2時間遅く、早朝は同1時間25分早くなりました。関空から梅田行きの最終バスは今回、梅田午前2時37分着に延長されており、1日のうちバス・高速船の接続がない時間は約3時間となります。 関空会社は「公共交通機関の連携は今後の課題」として市営バスなどとの連結に期待感を示していますが、市営バスの最終便は市営地下鉄より早い状況で、市側は「バスの最終便延長も未定」としてかみ合っていません。