交通事故対応の敵? 保険会社の「とんちんかん対応」が引き起こす問題、軽微な事故がもたらす意外な負担とは
交通事故に遭って知ったこと
友人Aが車を運転中に交通事故に遭った。停車しているところを相手の車にぶつけられたが、幸いにも車の損傷は小規模で、けがも軽いものだった。 【画像】「えっ…!」これが交通事故件数の「実態」です!(11枚) しかし、軽い事故のために 「事故の対応に関する悩み」 が増えた。Aが乗っていたのはファミリーカーで、車の管理は家族に任せっぱなしだった。特に強く後悔したのは、 ・自動車保険の弁護士特約に入っていなかった ・ドライブレコーダーを設置していなかった ことだった。 知っている人には常識かもしれないが、知らない人にとっては全く知らない落とし穴である。
事故後の交渉、過失ゼロの壁
事故が発生したとき、警察を呼ぶことになっている。警察は事実関係を確認するが、民事不介入の原則から、どちらがどれだけ悪いのか、過失割合については言及しない。 民事不介入の原則とは、国や公的機関が基本的に人と人の間で起こるトラブルに介入しないという原則だ。この原則は、個人の自由や自分で物事を決める権利を大切にしており、警察がそのトラブルに関わるのは、当事者が訴えを起こしたときや法律に基づく明確な理由があるときだけである。 警察を待つ間、Aが保険会社に連絡すると、相手方の名前、住所、電話番号をきくようにいわれた。その後はすべて保険会社を通じての処理になるものだと思っていたが、実際は違った。 Aは事故の責任は完全に相手側にある、過失割合は相手が100%、Aが0%と考えていたのだが、その場合、Aの保険会社を使うことはできない。つまり加害者の保険会社とAが直接交渉しなければならないのだ。 当然交渉は難航する。加害者の保険会社はAの過失0を認めない。Aの保険会社も相談には乗ってくれる。都度アドバイスをもらうのだが、相手もプロ。話が全く進まない。 過失割合が決まらなければ、車の修理も簡単に進められない。費用を立て替えれば修理自体はできるのだが、過失割合が決まらなければ、どれだけ持ち出しになるのかわからないので、修理方法の選択が難しい。 Aが対等に渡り合うには、弁護士に入ってもらうしかないのだが、それには費用がかかる。ネットで検索すると着手金が最低でも 「10万円」 と出てくる。ほかに相談料、成功報酬、実費がかかる。小規模の修理の場合車の修理費用も少額になる。これを上回る弁護士費用になれば、損になる。 弁護士特約をつけていれば、弁護士費用300万円まで保険会社が負担してくれる。保険会社にもよるが月々300円程度、保険料に上乗せするだけだ。交渉するうえでの精神的負担が大きく減る。また弁護士の介入で慰謝料などの増額が期待できる。