青森県、28農場を緊急点検へ 大規模養鶏場など対象 全国で相次ぐ鳥インフル受け
全国的に高病原性鳥インフルエンザが例年より速いペースで発生していることを受け、青森県は29日、県内の大規模な養鶏場などを対象に、12月中に緊急点検を実施すると明らかにした。過去に発生した地域を重点的に回り、飼養衛生管理基準の順守や発生防止対策を呼びかける。 同日、県庁で養鶏業者や畜産関連団体などを集めた緊急防疫対策会議を開き、説明した。 農林水産省によると、今シーズンは26日までに9道県の農場で11事例が発生。1例目が過去最も早い10月17日に北海道で確認されるなど、最多だった2022年に迫るペースとなっている。 渡り鳥の飛来が本格化する12月は、発生リスクがさらに高まる。県の緊急点検は国の指示などを踏まえ、▽過去に発生▽発生農場が近隣に複数▽飼養羽数が20万羽以上―のいずれかに当てはまる28農場が対象。12月20日までに立ち入りやリモートで施設を調べる。 このほか、県内の全事業者に今シーズンの特徴を踏まえた対策として、▽農場外の関係者も含めた靴と衣服の交換や消毒の徹底▽不要不急の工事の延期▽鶏舎周辺の散水やフィルータ設置によるちりやほこりの侵入防止―を呼びかける。 県畜産課の田中慎一課長は「衛生管理基準順守のさらなるレベルアップが必要。より確実な発生予防対策につなげたい」とした。
デーリー東北新聞社