日銀の3月マイナス金利解除予想が急増、4月とほぼ二分-サーベイ
(ブルームバーグ): 日本銀行がマイナス金利を解除するタイミングについて、3月との予想が急速に増加している。4月とみるエコノミストが引き続き過半数を超えているものの、足元でほぼ二分する形となっている。
ブルームバーグがエコノミスト50人を対象に5-11日に実施した調査によると、マイナス金利の解除時期について、今月18、19日の金融政策決定会合との予想が38%、4月会合は54%となった。前回の1月会合前はそれぞれ8%、59%で、3月の解除予想が大幅に増加した。個人の見通しとは別に、3月か4月のいずれかに解除される可能性があるとの回答は9割を超えた。
調査リポート:日銀3月会合での変更予想が4割に上昇-4月は5割超
前回会合以降、正副総裁ら日銀幹部から政策正常化に前向きな発言が相次ぐとともに、今年の賃上げに関する良好なデータなどが3月の解除観測を後押しした。ポイントとなる春闘については、15日に公表される第1回回答集計結果が政策判断を大きく左右するとみられている。連合が7日発表した加盟労働組合の賃上げ要求は30年ぶりに5%を上回った。昨年の平均賃上げ率は3.58%だった。
T&Dアセットマネジメントの浪岡宏チーフ・ストラテジストは、4%を超える賃上げが実現する可能性が高いとし、「賃金と物価の好循環は達成されつつあるので、マイナス金利を解除してしかるべきだろう」と指摘。4月会合直後の28日に衆院の補欠選挙の投開票が行われることなどを踏まえれば、「4月よりも3月の可能性が高い」とみている。
エコノミストの予想(中央値)によると、今年の春闘での賃上げ率は全体で4.1%と、30年ぶり高水準だった昨年の3.6%を上回る見通し。日銀が政策正常化に踏み切るには少なくとも3.8%の賃上げが必要とみている。
4月解除の見方
一方、4月解除を予想するエコノミストの多くは、見通し期間を2026年度まで延ばした新たな経済・物価情勢の展望(展望リポート)や全国企業短期経済観測調査(短観)、支店長会議、春闘の回答集計動向など、さらなるデータを基に議論できることを理由に挙げている。