豪ヨットレースで2件の死亡事故 強風と高波が原因か
【AFP=時事】オーストラリア・シドニーからタスマニア州の州都ホバートまでの628海里(約1163キロ)で争うシドニー・ホバート・ヨットレースの主催者は27日、別々に2件の死亡事故が発生したと発表した。悪名高いバス海峡に挑むこの過酷なレースは、強風と高波の予報が出ていた中で、26日に開幕していた。 【写真】シドニー・ホバート・ヨットレースの様子 事故に遭遇したのはフライングフィッシュ・アークトス号とボウライン号のそれぞれのクルーで、ニューサウスウェールズ州の沿岸を南下していたところ、ヨットのブーム(セールの一部)にぶつかったとされている。他の乗組員が蘇生を試みたものの、2人とも助からなかった。 大会組織委員会は、警察が捜査中であることや一部の家族にまだ連絡が取れていないことを理由に、死亡の詳細を公表できないとコメント。また、「われわれの思いは亡くなった方々(と同じヨット)の乗組員、家族、友人とともにある」と哀悼の意を示した。 ニューサウスウェールズ州警察は、夜間に船舶から計2件の死亡事故が通報されたと発表した。 豪クルージングヨットクラブの副会長を務めるデビッド・ジェイコブス氏は、船員が死亡した際にヨットは強風に流されていたと明かした。一方、強風と高波については「極端」な予報ではなかったとしており、「これらの船舶はそうした風を簡単に制御できる。彼らは海のレーサーであり、風には慣れている」と述べた。 このレースは天候が重要な要素となっており、風やコンディションによってしばしば急激に変化することがある。ジェイコブス氏によると、今回出発した計104艇のうち、これまでに16艇が途中棄権したという。【翻訳編集】 AFPBB News