ハードで戦略的な本気の鬼ごっこ「スポーツ鬼ごっこ」が全国で拡大中
宮城県山元町で開かれた「スポーツ鬼ごっこ」。ハードな上、高度な戦略も要する(中野宏一撮影)
誰もが子どものころ遊んだ鬼ごっこ。その鬼ごっこが、ルールを整え、大人も子どもも楽しめるスポーツとして、全国で普及し始めている。誰でも始められる簡単さが魅力だが、始めてみると案外ハードで奥深い。この「スポーツ鬼ごっこ」は、学校の授業で取り入れられ、全国大会や国際大会も開催されている。
未就学児から大人まで参加
4月24日、宮城県山元町の体育文化センターでは、スポーツ鬼ごっこ初心者を対象に体験会が開かれた。未就学児から大学生、大人世代まで幅広い年代の男女19人が集まった。 「スポーツ鬼ごっこ」のルールはシンプルだ。7人対7人で分かれ、敵陣中央にある「宝(カラーコーンの上に載せた小型のコーン)」を取れば1ポイント。ただし両手でタッチされると、自陣奥深くにあるテクニカルエリアに一旦戻らなくてはならない。守備側は、自陣の「宝」を囲む円(Tゾーン)から内側には入れない。つまり、タッチされずに相手陣内の「Tゾーン」に入れば得点というゲームだ。
高度に戦略的なゲーム展開
運動着に着替えた参加者は、2組に分かれ試合を始めた。チーム名は山元町の特産物にちなみ、「いちごゲッターズ」と「チームほっき貝」。試合時間は前半5分、後半5分、ハーフタイム2分だ。短いように感じるが、かなりハードで、開始から2分も経たないうちに参加者の息が切れ始める。 「スポーツ鬼ごっこ」は、誰でも始められるが、高度に戦略的なゲームだ。7人のプレーヤーを守備と攻撃にどう配分するかや、一人をタッチしてアウトにしたと思ったらその陰からもう一人出てきて得点されるなど、作戦が得失点に大きく関わってくる。 試合は大学生の選手が得点を重ねた「チームほっき貝」が9-6で勝利した。友人の紹介で今回はじめて「スポーツ鬼ごっこ」に参加したという大学生の船木櫻子さん(19)は、「想像以上の面白さだった。楽しくて頭を使うゲームだと分かった」と話す。
「鬼ごっこ協会」が普及活動
「スポーツ鬼ごっこ」は、2010年に東京に「一般社団法人鬼ごっこ協会」が設立されてから、同協会が全国的な普及活動を行っている。同協会によると、今年1月時点までに47都道府県273市区町村で「スポーツ鬼ごっこ」の大会やイベントが開催されている。