【天皇杯】初出場のジェイリースがJ1に善戦も敗退 C大阪・清武弘嗣「いいチームだった」
<天皇杯:C大阪3-1ジェイリース>◇2回戦◇12日◇ヨドコウ 大分県代表で初出場のジェイリースFC(九州リーグ)が、セレッソ大阪に真っ向勝負を挑んで、善戦の末に敗退した。1回戦でFC徳島に勝利し、2回戦では初めてのJクラブとの対戦で存在感を示した。 就任1年目の柳川雅樹監督(37)は「勝機という意味では十分にあったと思う」と手応えを感じつつ、それでも2点差の敗戦に「格上に何とか粘り強く勝利をつかみたかったが、相手が勝負どころを分かっているというか、そこで差が出てしまった」。 J1相手に歴史に残る1ゴールこそ刻んだものの、前半開始1分のCKを皮切りに、後半のPK失敗を含め、3、4度あった決定機をことごとくものにできなかった。シュート数は10本に対し、C大阪は17本だった。 チームは18年4月、家賃債務、医療費、養育費などの保証関連事業を手がけるジェイリース株式会社が、主に地域貢献のために大分市に創設。現在は九州リーグ4年目で、1つ上のJFL昇格を目指す。柳川監督は「我々は企業クラブなので、社員の方がたくさん応援に駆けつけてくださった」と、大阪のアウェー席から声援してくれたサポーターに感謝した。 主将のDF今吉晃平(26)は「J1とやれる貴重な試合だった。守備は1本のパス、クロスで失点があったので改善していく必要ある。攻撃はチャンスつくれたので、長所としてやっていきたい」と課題と収穫を口にしていた。 ○…大分市出身でC大阪の元日本代表MF清武弘嗣(34)は、故郷に新たに誕生したチームとの初対戦を終えて「ボールの運び、動かし方はうまかった。最後の精度はJクラブと差はあるとは思うが、いいチームだった」と評価。大分ユース時代の同期のジェイリースFCのMF小手川宏基(34)は後半途中から出場し、先発した清武とは約6分間、ピッチで直接対戦した。「コテと久々に会えて、ピッチで一緒にやれたのはよかった。僕自身も頑張ってやらないといけない」と、刺激をもらっていた。 ◆ジェイリースFC 20年大分県社会人リーグ1部で優勝、翌21年から九州リーグに昇格して3位、22年4位、23年3位、24年は前期終了時で6勝2分け1敗で、首位ヴェロスクロノス都農に勝ち点5差の2位(全10チーム)。1つ上のJFL昇格とアマチュアNO・1クラブを目指す。柳川監督は現役時代、神戸DFで活躍してJ1通算14試合の実績を持ち、甲南大監督、J2岡山コーチも歴任。選手には清水や名古屋でJ1経験のあるMF八反田康平(34)ら実力者も多い。