虐待、いじめ、依存症…新宿・大久保公園で客待ち女性再び増加 暴力など高まる危険
新宿・歌舞伎町の大久保公園付近で街頭に立ち、売春の客待ちをする「立ちんぼ」の姿が再び目立ちつつある。取り締まりの強化でいったんは減少したものの増加に転じたとみられ、6月には街頭に立つ女性を刃物で脅して暴行した男が逮捕される事件もあった。性感染症や暴力、暴力団の介入など、女性たちの周りには危険が蔓延(まんえん)し続けている。 【別カット】女性が並ぶ「立ちんぼ公園」と呼ばれる大久保公園前。全体的に若く、ルックスもいい 6月の平日。大久保公園の周辺では午後6時すぎから、徐々に客待ちをする女性が増え始めた。 18歳の女性は今年に入り、ほぼ毎日、埼玉県の実家から約1時間かけて歌舞伎町に通い、客待ちをする。姉に連れられて行った「メンズコンセプトカフェ」に熱中し、「推し」である担当のキャストに貢ぐお金が必要なのだという。1日に2、3人を相手にし、稼ぎは3万~4万円ほど。稼ぎが悪ければ終電を諦めて客を待つこともある。 女性は精神的な疾患があり、昼の仕事に就くことは難しい。食欲もない日々が続いている。「本当はもう少し稼ぎたいけど、メンタルが持たない」と胸のうちを語る。実家の母はあきれ、口を出してこない。街頭に立つ女性を狙い、刃物を見せて暴行する男がいることは「聞いたことがあるかも」と話す一方、「死んだら死んだでしょうがない」と自暴自棄ともとれる言葉が返ってきた。 ■大久保の「刃物男」 警視庁は2日、不同意性交の疑いで、交流サイト(SNS)上で「大久保の刃物男」と呼ばれていた難波正秀容疑者(61)=強盗不同意性交容疑で逮捕=を再逮捕したと発表した。昨年7月、歌舞伎町のホテルで20代の女性にナイフのようなものを見せた上で、警察官を装い「このまま逮捕だから」などと脅し、わいせつな行為をしたとされる。 難波容疑者は同様の犯行を繰り返していたとみられ、捜査1課は売春へ負い目があり、抵抗しない女性らに狙いを定めていたとみて調べている。 大久保公園周辺では、女性を品定めする男性らの姿も多い。スーツからTシャツ姿まで格好や年齢はさまざま。「お姉さん、今日どんな感じ? 暇系?」などと親しげに話しかける。売春防止法では買春側の罰則規定がなく、捜査関係者は「買う側はリスクが少ない一方で、女性側には命の危険もあり、リスクは高い」と警鐘を鳴らす。 ■危険性を知りながら