「大谷翔平2世」が今季MLBドラフトで台風の目 規格外アーチと100マイル豪速球「二刀流を辞めるつもりはない」
【野手とリリーフ投手の二刀流もアリ】 現在の評価は、打者が投手をしのぐ。カグリオーンをドラフトで指名する球団は、投手でも二刀流でもなく、一塁手として見ている可能性もある。 指名順位は、全体3位~5位あたりになりそうだ。たとえば、MLB.comのジョナサン・メイヨーは5位、ESPNのカイリー・マクダニエルは4位、SBネーションのマーク・ショーフィールドは3位に挙げている。 トップ2は、前出のジョージア大のコンドン(三塁手/外野手)とオレゴン州立大のトラビス・バザンナ(二塁手)と予想するメディアが多い。このふたりとアーカンソー大のヘイゲン・スミス(左投手)は、MVPに当たるゴールデン・スパイク賞のファイナリストに挙がっている。カグリオーンは、セミファイナリストに終わった。 今年の指名権トップ5は、1位がクリーブランド・ガーディアンズ、2位がシンシナティ・レッズ、3位がコロラド・ロッキーズ、4位がオークランド・アスレチックス、5位はシカゴ・ホワイトソックスが持っている。 カグリオーン自身は「二刀流を継続したい」と考えているようだ。昨年6月にESPNのジェフ・パッサンが発表した記事のなかで、カグリオーンは大谷について「最高にクールだと思う。あれこそ、まさに僕がやりたいことなんだ」と言い、将来に関しては「一方に専念するよう、球団から決断を迫られないかぎり(二刀流を)辞めるつもりはない」と語っている。 プロ入りしたカグリオーンが大谷に続くスラッガー&ハードボーラーとしてキャリアを築くかどうかは、まだわからない。ただ、先発投手が無理でも、野手とリリーフ投手の二刀流もあり得る。 野手出場→リリーフ登板は、ブルペンで投げる時間がとれないので難しいだろうが、オープナーとしてマウンドに上がるのであれば、試合前に投球練習を行なえる。ホームゲームなら1回表に投げ、1回裏の打席に立ち、2回表からは一塁の守備につく、といった流れだ。
オープナー&DHの場合も、試合に出場し続けることができる。2022年に制定された、いわゆる「大谷ルール」により、打者としてもラインナップに名を連ねた先発投手は、降板後もDHとしてラインナップに残ることが可能になった。 カグリオーンのような選手にとって、大谷は実在する最高のモデルとなっているだけでなく、ルールの面でも自身に続く二刀流選手が現れる可能性を高めている、という見方もできる。
宇根夏樹●取材・文 text by Une Natsuki