「眠れなかった翌日」どう過ごすのがいい?心理学者が解説
時計の針は真夜中を指しているのに、頭の中を心配事が駆け巡り、なかなか眠りが訪れない。私たちの大半は、この状況を間違いなく経験している。 【写真】睡眠の質を高める食生活を管理栄養士が指南 このような状況では、あなたの脳が知覚された脅威(心配事)に反応し、実際に脅威にさらされているかのように闘争・逃走反応を発動させる。闘争・逃走反応は、人間が危険な状況を切り抜けて生き延びるために作られた神経生理学的反応。あなたの脳は入眠に必要なホルモン、メラトニンの生成も止めてしまう。その結果、眠れないことによる動揺で不安な気持ちが増幅し、闘争・逃走反応が収まらいという悪循環に陥って、ますます眠れなくなるというわけだ。 寝不足は“災難のもと”で、パフォーマンスや集中力の低下といった問題を引き起こす。では、不運にも眠れなかった日の翌日は、どう過ごすべきなのか? 米ハーバード大卒の臨床心理士で、キーノートスピーカーおよびパフォーマンスコーチとしても活躍するジョディ・ローウィンガー博士が教えてくれた。
眠れなかった翌日の過ごし方
寝不足で頭がボーッとしているときは、次の方法で長い1日を乗り切ろう。 ▼ルーティンを崩さない 疲れていても、普段のアクティビティとルーティンをキープしよう。いつもと時間に起きて、いつもと同じ時間に食べる努力を。 ▼水分を補給する 体内の水分が不足すると疲労感を増幅するので、寝不足の日は頻繁に水を飲もう。 ▼ヘルシーな間食をする 間食には、長時間にわたってエネルギーを供給する栄養価の高いスナックを。ナッツやヨーグルトはいいチョイス。甘いスナックは活力を奪うので避けるべき。
睡眠の質を高める方法
長い1日を乗り切ったら、科学的な裏付けのある戦略で睡眠の質を高めよう。 ▼受け入れる 最も効果的な方法の1つは、意外にも、眠れないことを受け入れること! 眠ることへの執着を手放して、眠れない自分を受け入れ、思いやるようにすれば、心身がリラックスして自然と眠りが訪れる。 ▼睡眠衛生を改善する まずは、規則正しい睡眠スケジュールをキープして、快適な(=涼しくて暗くて静かな)睡眠環境を作ること。カフェインとアルコールの摂取量を制限し、重たい食事を避けて、心身をリラックスさせるベッドタイムのルーティンを確立することも大切。 ▼完璧主義を手放す 睡眠に関する完璧主義的な考え方(例:8時間しっかり寝ないと明日大変なことになる!)は不安を掻き立て、入眠を妨げる。完璧主義を手放せば、より穏やかな気分でベッドタイムを迎えられるようになり、寝付きがよくなる。