日本人俳優のハリウッドデビュー映画5選!
海外で活躍するきっかけとなったヒット作! 渡辺謙、真田広之『ラスト サムライ』
トム・クルーズがプロデュース&主演を務め、日本ロケも行われた製作費1億4000万ドルの巨費を投じたハリウッド時代劇。明治時代初期を舞台に、近代化軍隊の指導のために日本に招かれたアメリカ人士官オールグレン(トム・クルーズ)が、新政府に不満な武士たちによる反乱軍に捕らえられ、侍の誇りを学び、彼らと共に戦いに身を投じる決意をする。 メインキャストには多くの日本人俳優が起用され、西郷隆盛をモデルにした反乱軍の指導者・勝元役を渡辺謙、反乱軍随一の武芸の達人・氏尾を真田広之が演じ、双方ともにハリウッドデビューを果たした。義に厚く懐の深い勝元役の演技で渡辺謙はアカデミー助演男優賞にノミネートされ、ミュージカル『王様と私』ではブロードウェイにも進出。真田広之も本作を機に活動の拠点をハリウッドに移し、『ブレット・トレイン』や『ジョン・ウィック:コンセクエンス』などで大活躍していることはご存知の通りだ。
純愛に身を焦がす繊細さを表現した! 役所広司『SAYURI』
『ラスト サムライ』で渡辺謙が演じた勝元役のもうひとりの有力候補は、日本が誇る名優・役所広司だった。同作でキャスティングを担当した奈良橋陽子は、次の機会にはぜひ役所広司をハリウッド映画に出したいと発言しており、まさに有言実行で役所の起用に成功したのが、日本の芸者の世界を描いた一大メロドラマ『SAYURI』の延社長役だった。 京都が舞台で登場人物の大半は日本人だが、主人公さゆり役にチャン・ツィイー、先輩芸者にコン・リーとミシェル・ヨー、さゆりが憧れる電気会社会長の岩村に渡辺謙、桃井かおりに工藤夕貴とアジア系俳優の混成キャスト。セリフは基本的に英語という、ハリウッド製作ならではのアプローチとなっている。 役所広司が演じた延社長は、顔に傷を持ち、他人の心を開くことが苦手ながら、芸者のさゆりに恋をして身請けしようとする役どころ。基本的にはさゆりと岩村会長のラヴストーリーであり、延社長はふたりの恋の道行きを邪魔してしまう二番手キャラなのだが、鬱屈を抱えながらも純愛に身を焦がす繊細さを役所がみごとに表現しており、本作でも屈指の見どころだと断言したい。