SNS型投資詐欺などへの注意を呼びかける動画の一場面

　広島県警安佐南署が、交流サイト（SNS）を悪用したSNS型投資詐欺、ロマンス詐欺に注意を呼びかける動画を作った。「お金は二度と戻らない」など園児の歌声に合わせ、署員が踊る。編集で署員が七色にも光る奇抜な動画は、100万回以上閲覧されるなどSNS上で話題を集めている。 【写真】動画の一場面や保育園児の歌に合わせて踊る警察官たち 　フォークダンスの定番曲「オクラホマミキサー」に合わせ、署員5人が真剣な表情でシンプルな踊りを続ける動画は1分15秒。梅林よつば保育園（広島市安佐南区）の園児20人が「インスタ、ラインで言い寄って」「あなたのロマンスつけ込んで」などと声をそろえて歌い、手口を伝える。署員は編集で派手に光り出したり、増えたりする。

「かわいいから最後まで聴いてしまいました」「これは耳に残る」

　被害が相次ぐ中、チラシではない啓発をするため、同署生活安全課の鑑原和葉巡査部長（41）が発案した。歌詞と振り付けを考え、編集も担当。動画は7日午後に県警の公式X（旧ツイッター）やユーチューブで公開を始めた。Xは24時間で100万回以上閲覧され、「バズり動画」に。「かわいいから最後まで聴いてしまいました」「これは耳に残る」などと投稿が相次いでいる。 　鑑原巡査部長は「派手な演出はピントが合っていなかった映像をごまかすためだった。でも、こんなに見てもらえるなんて思わなかった。子どもも口ずさめる歌詞で手口を学んでほしい」と話した。 　安佐南署は8日、動画制作に協力したとして、同園に感謝状を贈った。同園であった贈呈式後、園児の歌に合わせ、鑑原巡査部長たちが踊りを披露した。縄田心結ちゃん（6）は「元気よく歌った。みんなに聞いてほしい」と話していた。 　県警によると、県内で1～8月に発生したSNS型投資詐欺の被害は204件、計約23億434万円。SNS型ロマンス詐欺は34件、計約4億565万円だった。