【一言目が肝心】「また会いたい!」と思われる、感じいい人のおもてなし言葉とは?
出迎える時や招いた人をもてなす時のシンプルで素敵な一言 この連載は、日本郵政や法務省、日本コカ・コーラ、日産自動車など多くの省庁や企業で講演や研修を担当し、15年間にわたって約7万人の老若男女にコミュニケーションを教えてきた『オトナ女子のすてきな語彙力帳』の著者、吉井奈々さんによるものです。 本書の読者からは、 「自分の言葉の引き出しが増えた!」 「載っている言葉を1つでも多く使いたいと思った」 「繰り返し読みたい本になりました」 といった感想がたくさん届いています。 相手も自分も大切にするコミュニケーションのヒントが満載の本書から、好印象につながるもてなしの一言をご紹介します。 ● 素敵な印象を残すシンプルな一言 仕事やプライベートを問わず、出迎えるときや招いた人をもてなすとき、どんな言葉を使っていますか? 一般的には、 「こんにちは」 「お疲れ様です」 などの一言ですが、素敵な印象を残すためにこんな一言はいかがでしょう? 「ようこそおいでくださいました」 「ようこそ」は「来てもらったことへの感謝や歓迎の気持ち」を表します。満面の笑みとともに伝えられるといいですね。 遠方からの来訪者には、 「ようこそ、お運びくださいました」 がおすすめです。 「お運び」とは「足を運ぶ」の意味。ここまでに費やした時間や労力、お金などすべてに感謝を込める大和言葉です。 ● 悪天候の日に 天気がすぐれない中で来てくれた方には、 「雨の中、ご足労いただきありがとうございます」 の一言を。 「ご足労いただき」は天候や距離にかかわらず、足を運んでくれたことへのねぎらいを込めた表現です。 ● お茶菓子を出すとき お客様にお茶やお菓子を出すときは、こんな一言を添えると上品ですね。 「ほんのお口汚しですが、」 「心ばかりですが、」 食べ物の手土産を渡すときにも使える表現です。 「お口汚し」と聞くと、まずいものと解釈してしまいがちですが、本来は「少量の」という意味の大和言葉。とくに年配者や目上の人に用いるのに適した美しい言い回しです。 ただ、現代的な感覚の人には、やや謙遜し過ぎな言葉に受け取られることも。その場合は「心ばかりですが」のほうが自然な印象かもしれません。 ● 滞在する人に 宿泊する方などには 「ゆっくりとお過ごしください」 の一言を。相手がくつろげるように、緊張をほぐすひと言です。 ● 細かい言葉遣いよりも「喜び」を伝えて 人をもてなすときに最も大切なのは、間違いのない言葉遣いではありません。いちばんは相手を歓迎する気持ちです。しかし、どんなに「来てくれてうれしい」と思っていても、それが伝わらなかったら気持ちがないのと同じです。そこで、歓迎の気持ちを「喜び」として表現してみましょう。相手の心にも響きやすくなります。 (本記事は『オトナ女子のすてきな語彙力帳』をもとに編集しています)
吉井奈々