船橋、市川、松戸など7市町が対象 千葉県の区割り変更、周知に懸命 「私の名前を一度も書いたことがない」…候補者の戦略にも影響 【衆院選ちば2024】
27日投開票の衆院選は、「1票の格差」是正のため区割りの変更が行われ、千葉県内では前回から1増の14選挙区で実施されている。区割りの見直しは船橋、市川、松戸、習志野、柏、我孫子の6市、横芝光町が対象。投開票日が迫る中、各市町の選挙管理委員会は臨時の広報紙発行やインターネットでの情報発信強化など、有権者への周知徹底を図っている。 今回、我孫子市は全域が旧8区から外れ、13区に加わった。同市広報室によると、広報紙やホームページのほか、今年新設した市選管公式X(旧ツイッター)を活用し浸透を図っている。担当者は「区割り変更はテレビであまり報道されなかった印象がある。周知はなかなか難しい」と話した。
船橋市は西部が4区、東部が新設された14区に分割された。同市選管は全市への発信に加え、両選挙区の境界線付近にある約5500世帯にも文書で通知。区割り変更を紹介する「広報ふなばし」の衆院選特集号を18日付で発行した。 全域が新設の14区に編入された習志野市は、12日付で市選管独自のお知らせ文書を用意するなどして対応している。公示後の18日には、県選管が作成した新聞折り込みチラシが県内で約46万部配達された。 区割り変更は候補者の戦略にも影響を及ぼしている。ある前職は、新たに選挙区に加わった地域の有権者が「私の名前を一度も書いたことがない」と分析。「最優先」と位置付けて重点的に回り、地道に票の掘り起こしを図っている。 選挙区から外れた地域について「後援会の会員が大勢いたのに、組織自体がなくなってしまった」と説明。得票への影響よりも「長年築いてきた人とのつながりがなくなってしまうのが一番つらい」と嘆いた。 区割り変更によって別の選挙区に移った候補者名を投票用紙に記入すると、無効票になる。各市の選管担当者らは「新しい選挙区の情報をしっかり確認した上で投票してほしい」と呼びかけている。