Apple Watch、世界リストウエア市場で首位陥落
米アップルが、リストウエア(手首装着型端末)のランキングで首位から陥落したことが分かった。腕時計型端末「Apple Watch」は1年前、2位の中国・華為技術(ファーウェイ)よりも出荷台数が58%多く、圧倒的なシェアで市場をリードしていたが、今回その地位を中国競合に奪われた。 ■ アップル、12.8%減の2250万台 米調査会社のIDCが、2024年1~9月の世界リストウエア市場調査結果を公表した。このカテゴリーの製品には腕時計型端末とリストバンド型端末がある。 それによると、1~9月のApple Watchの世界出荷台数は、前年同期比12.8%減の2250万台だった。これに対し、リストウエア全体の出荷台数は1%減の1億3900万台だった。アップルの落ち込みは、市場全体の落ち込みを大きく上回った。 この市場における1~9月の上位5社は、(1)ファーウェイ、(2)アップル、(3)中国・小米(シャオミ)、(3)韓国サムスン電子、(5)中国・歩歩高(BBK)、の順だった。4社が2桁の成長を達成する中、アップルは唯一出荷台数を減らした。 アップルは2024年7~9月にリストウエア市場で一時的に首位に返り咲いた。「Apple Watch Series 10」の市場投入が奏功した。しかし、世界的な腕時計型端末市場の競争激化に伴い、多様な価格帯の製品を持つメーカーの追い上げに直面している。Apple Watchは依然として、腕時計型端末市場でトップの座を維持しているが、今後も業界をリードし続けるためには、より革新的なデザインの導入が求められると、IDCは指摘する。
■ 中国は世界最大市場、腕時計型・リストバンド型ともに好調 前述した通り、2024年1~9月の世界リストウエア出荷台数は、1億3900万台で前年同期から1.0%減少した。その主な要因は、製品の均質化と、インド及び米国市場の飽和だとIDCはみている。 リストウエア出荷台数の内訳は、腕時計型端末が1億1220万台で、前年同期比3.8%減。リストバンド型端末は2680万台で12.7%増加した。 これに対し、中国の同期間におけるリストウエア出荷台数は4580万台で、20.1%増加した。その内訳は、腕時計型端末が3290万台で23.3%増。リストバンド型端末が1290万台で12.6%増。 中国はリストウエアの出荷台数で最大の市場であり、世界の成長をけん引しているとIDCは分析している。 ■ ファーウェイ出荷台数44.3%増 今回、世界リストウエア市場で首位に浮上したファーウェイの出荷台数は2360万台で、前年同期から44.3%増加した。この伸び率は上位メーカーの中で最も高い。 ファーウェイは2024年7~9月、TruSenseシステムを搭載した新モデルの「WATCH GT 5」及び「同GT 5 Pro」、第2世代の血圧測定機能搭載「同D2」を市場投入し、健康モニタリングの利便性と精度を高めた。 同社は年初から、ローカライズ戦略を強化しており、グローバルブランドイメージの構築に力を注いだ。IDCによれば、ファーウェイはアジア太平洋地域、中南米、中東、アフリカで、継続的かつ安定的な成長を遂げているという。
小久保 重信