11日から全国順次公開。2時間5分。（健）

■「2度目のはなればなれ」

英国の89歳の退役軍人がノルマンディー上陸作戦の70周年式典参加のため、老人ホームを抜け出した実話を基にした人間ドラマ。オリバー・パーカー監督作品。

2014年、英国。老人ホームで暮らすバーナード（マイケル・ケイン）は、妻のレネ（グレンダ・ジャクソン）を置いて、一人で仏ノルマンディーに旅立つ。彼には行かねばならない理由があった。

老人の冒険がSNSで拡散され社会現象に…という流れは、「ハロルド・フライのまさかの旅立ち」とほぼ同じ。名優ケインが、青年期に体験した激戦地を再訪する老人役をしみじみと演じる。ジャクソンは昨年6月に死去し、遺作となった。英映画。

11日から全国公開。1時間37分。（耕）

■「最後の乗客」

とある東北の小さな街で、タクシードライバーの遠藤（冨家ノリマサ）が閑散とした深夜の住宅街で謎めいた若い女性（岩田華怜）を乗せる。そして何もない荒廃した路上に突然現れた女の子と母親の2人連れも同乗することに。3人の乗客を乗せ、タクシーが行き着いた先とは…。

宮城県生まれで米ニューヨークで活動する堀江貴監督がクラウドファンディングで資金を調達し、新型コロナウイルス禍による撮影延期などを経ながら完成させた自主映画。

世界各地の映画祭で絶賛され、数多くの賞を獲得したヒューマンミステリー。亡き家族への切ない思いが静かに伝わってくる。

11日から全国順次公開。55分。（啓）