Jamie Dimon, chief executive of JPMorgan Chase & Co.

（ブルームバーグ）： 米銀ＪＰモルガン・チェースが人工知能（ＡＩ）に全面的に取り組んでいると公言しているジェイミー・ダイモン最高経営責任者（ＣＥＯ）はブルームバーグとのインタビューで、ＡＩ時代におけるマネーの未来像を披露した。

ＪＰモルガンの未来のチャットボット（仮に「ChatJPM」と呼ぶとする）に「自分には30年の時間があるが、どうすればよいだろうか」と尋ねることができるかとの問いにダイモン氏は「ある意味では、今はすでに少し行うことができる」と答えた。

ＡＩはすでにＪＰモルガンの資産計画に組み込まれているが、近いうちにそのテクノロジーはさらに洗練されるだろうと同氏は語った。

「ＡＩが行うことは、相手についてもっと知り、もっと学び、パターンを調べ、過去に成功したことを調べることだ。ＡＩはその大きな助けとなる」と付け加えた。

ダイモン氏は最近の株主宛て書簡で、ＪＰモルガンと社会全体にとってＡＩは「印刷機、蒸気機関、電気、コンピューティング、インターネット」のようなその時代の新興テクノロジーだとの見方を示した。

銘柄選び

ＡＩが一般の人々のお金との付き合い方にどのような影響を与えるかという点で、ダイモン氏は「ワンストップ」でほぼ全てのことができる一つの金融「スーパーアプリ」を想定していない。

そうしたアプリは中国では広がり始めたが、米国では根付いていない。

同氏によれば、米国では一つの中心的な「何でもできるアプリ」ではなく、多数の「ミニ・スーパーアプリ」が存在するようになる見通し。

ダイモン氏は将来の「ChatJPM」に、一獲千金を狙っていると相談したらどうなるだろうかとの問いには「頭がおかしいと告げてくれることを期待する」と回答。

テクノロジーにはまだ限界があると指摘し、「ＡＩは株式の銘柄を選ぶことはできない」と語った。

ＡＩでさえ完璧な銘柄選びはできないと考えているダイモン氏だが、ＡＩのおかげで人間が資産を自動操縦に任せられるような未来が近づいていると信じている。