北米の劇場興行とアカデミー賞の関係性 『オッペンハイマー』など受賞作の再上映続く?
『デューン 砂の惑星PART2』は公開2周目も好調
なお、この週末(3月8日~10日)のランキングで第1位に輝いたのは、『カンフー・パンダ』シリーズの最新作『Kung Fu Panda 4(原題)』。3日間で5830万ドルを稼ぎ出し、第1作『カンフー・パンダ』(2008年)に匹敵するオープニング興収となった。製作費は第1作の半分に近い8500万ドル。出口調査に基づくCinemaScoreで「A-」評価と観客支持も高いため、好調な興行を続けることになりそうだ。3月22日には中国公開も控えている。 前週1位の『デューン 砂の惑星PART2』は2位となったが、週末3日間の興行収入は4600万ドルで、前週比は-44.2%。いわゆる超大作映画やスーパーヒーロー映画が、公開2週目に前週比-60%前後もの大幅下落を見せることも少なくない中、うまく観客の関心を引きつけることに成功した。北米興収は1億5702万ドルで、劇場公開と同時に配信された前作『DUNE/デューン 砂の惑星』(2021年)の成績をすでに抜き去った。世界興収は3億6752万ドル。 注目は、第9位に初登場した中国映画『YOLO(英題)』。日本映画『百円の恋』(2014年)のリメイク版で、春節映画として2月に中国で公開されるや否やスマッシュヒットとなっていた。北米ではソニー・ピクチャーズの配給により200館で上映され、3日間で84万ドルを記録。今後の推移にも期待したい一作だ。日本公開は未定。 北米映画興行ランキング(3月8日~3月10日) 1.『Kung Fu Panda 4(原題)』(初登場) 5830万ドル/4035館/累計5830万ドル/1週/ユニバーサル 2.『デューン 砂の惑星PART2』(↓前週1位) 4600万ドル(-44.2%)/4074館(+3館)/累計1億5702万ドル/2週/ワーナー 3.『Imaginary(原題)』(初登場) 1000万ドル/3118館/累計1000万ドル/1週/ライオンズゲート 4.『Cabrini(原題)』(初登場) 756万ドル/2840館/累計756万ドル/1週/Angel Studios 5.『ボブ・マーリー:ONE LOVE』(↓前週2位) 406万ドル(-45.4%)/2764館(-626館)/累計8932万ドル/4週/パラマウント 6.『Ordinary Angels(原題)』(↓前週3位) 203万ドル(-45.7%)/2323館(-697館)/累計1614万ドル/3週/ライオンズゲート 7.『マダム・ウェブ』(↓前週5位) 112万ドル(-64.5%)/2015館(-1101館)/累計4261万ドル/4週/ソニー 8.『FLY!/フライ!』(↓前週6位) 110万ドル(-56%)/1507館(-697館)/累計1億2533万ドル/12週/ユニバーサル 9.『YOLO(英題)』(初登場) 84万ドル/200館/累計84万ドル/1週/ソニー 10.『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』(↓前週8位) 60万ドル(-65.1%)/1004館(-728館)/累計2億1779万ドル/13週/ワーナー (※Box Office Mojo、Deadline調べ。データは2024年3月11日未明時点の速報値であり、最終確定値とは誤差が生じることがあります) 参照 https://www.boxofficemojo.com/weekend/2024W10/ https://variety.com/2024/film/box-office/box-office-kung-fu-panda-4-leads-dune-surpasses-milestone-1235936650/ https://deadline.com/2024/03/box-office-kung-fu-panda-4-dune-part-two-imaginary-1235850148/ https://deadline.com/2024/03/dune-part-two-kung-fu-panda-4-china-global-international-box-office-1235852214/ https://deadline.com/2024/03/indie-box-office-china-yolo-love-lies-bleeding-the-taste-of-things-1235852238/ https://collider.com/godzilla-minus-one-leaving-theaters/
稲垣貴俊