「革新通じて社会に貢献」 トヨタ内山田氏が講演
トヨタ自動車の内山田竹志エグゼクティブフェローは2日、トヨタ産業技術記念館(名古屋市)で「愛知の発明の日」の記念講演を行った。内山田氏は「21世紀は、いくつもの大きな社会課題に直面している。技術革新を通じて社会に貢献し、次世代も発展することが大事」と呼びかけた。 トヨタは2019年からモーターやパワーコントロールユニット(PCU)など電動化に関する技術の特許を無償提供している。対象はトヨタが保有する2万3740件の特許で、30年末まで続ける。内山田氏は特許の無償提供について、「多くの会社から関心を持ってもらっている。さまざまな人の協力がなければ、社会課題を解決できない」と取り組みの狙いを話した。 また、カーボンニュートラル達成に向けて「車両など局所的ではなく、ライフサイクル全体で二酸化炭素(CO2)を減らさないといけない。そのため電気などのエネルギーを『CO2フリー』にすることが必要だ」と強調。エネルギーの運びやすさから水素を活用する重要性を説き、「エネルギーをCO2フリーにするため、より多くの水素が必要になる」と語った。
講演会は愛知県、中部経済産業局、愛知県発明協会が主催した。愛知の発明の日は8月1日。1898年8月1日にトヨタグループ創始者の豊田佐吉翁が最初の動力織機の特許を取得したことから定めた。