あのエヌビディアがトラック業界に!? 「無人トラック」の商用化へ業界初のパートナーシップ!
自動車はより安全で効率的に?エヌビディアも期待する自動運転技術
オーロラは「オーロラ・ドライバー」の最終的な製品検証のために、現在、自動運転トラックを公道で走らせている。米国の高速道路の巡航速度で安全な運行を可能にするというこのトラックには、強力なコンピューターとセンサー(レーダー、ライダー、カメラ)が搭載されている。 データ処理のレイテンシ(遅延)がクリティカルな要件である自動運転技術では、車載コンピューターでデータを高速に処理するため、最新の半導体やAI(人工知能)技術が活用される。 ルールベースのアプローチでは自動運転は実現不可能とするオーロラは「検証可能なAI」を開発している。AIは新しい運行領域にも急速に適応するほか、セーフティ・ケースを通じて検証可能であることは規制当局や一般社会からの受け入れを目指す上で不可欠だ。 オーロラは無人トラックによるサービスを2025年4月にも米国テキサス州で開始する予定で、ハードウェア開発とその量産化を世界的な自動車部品メーカーであるコンチネンタルが担っている。 コンチネンタルはさらに、プライマリー・システムとなるオーロラ・ドライバーに不具合が発生した場合に備えて、独立したセカンダリー・システムの開発も行なっている。 量産化に先駆けてコンチネンタルは今後数カ月以内にプロトタイプの試験を開始し、エヌビディアの「Drive Thor」と「Drive OS」を組み込むのはその後の段階となる。 完全版のハードウェアキットはオーロラのOEMパートナーに供給され(オーロラはボルボやPACCARなどのトラックメーカーと提携している)、その顧客のトラックに搭載されることになる。 また、エヌビディアはCESのプレビューイベントにおいて、トヨタ自動車が同社のパートナーリストに加わったことも明らかにした。世界最大の自動車メーカーであるトヨタが、エヌビディアのSoC「DRIVE AGX Orin」を搭載し「Drive OS」で稼働する次世代車両を開発するという。 AI向けの半導体で圧倒的な存在感を見せるエヌビディアだが、2026年(会計年度)にはオートモーティブ事業が50億ドル(約8000億円)に達すると見込んでおり、同社の創業者でCEOのジェンスン・フアン氏も次のように話し、期待を寄せている。 「自動運転という革命の到来により、AI・ロボティクス業界にとって自動車分野は一大産業になります。20年間にわたり自動車にコンピューティングを提供してきたエヌビディアは、安全に関する専門知識と、『CUDA AV』プラットフォームにより、数兆ドルという規模の自動車産業の変革を支援します」。