「俺たちのマー君」田中将大、楽天地元に驚きと惜しむ声…「いずれ監督やコーチで戻って来て」
プロ野球・楽天イーグルスの田中将大投手(36)が自由契約となり、退団する意向を表明して一夜明けた25日、宮城県内外のファンからは驚きと惜しむ声が相次いだ。球団史上初の日本一の原動力となり、日米通算200勝を目前にした「レジェンド」が下した決断。残念がりながらも、新天地での活躍を信じ、温かく送り出そうとしている。 【写真】楽天の帽子をかぶせてもらい、笑顔を見せる駒大苫小牧高の田中投手
田中投手は24日、自身のユーチューブチャンネルで「来季の契約を結ばず、新たなチームを探すことに決めた」と語った。2021年に米大リーグ・ヤンキースから8年ぶりに楽天に復帰し、4年間で20勝33敗。日米通算200勝まであと3勝に迫っていたが、昨秋に右ひじ手術をして迎えた今季は一軍登板が1試合どまり。プロ入り後初めて未勝利に終わった。
「チームの顔だっただけに残念」。楽天ファンが集う「おでん三吉」(仙台市青葉区)の2代目店主、田村忠嗣さん(81)は肩を落とす。20年前の球団創設時から今秋まで私設応援団「稲虎応援団」の団長を務め、田中投手も入団当初から店に顔を出した。
日本一に輝いた13年の日本シリーズ。3勝3敗で迎えた最終第7戦で3点リードの九回から登板し、最後の打者を三振に仕留めた雄姿は今もまぶたに焼き付いている。東日本大震災で傷ついた被災地は復興に歩み始めたばかりで、「東北を一つにしてくれた」と感謝する。市内で行われた優勝パレードでは、人混みの中から田村さんの姿を見つけ、「おでん三吉のおっちゃん!」と声をかけてくれた。
今季唯一の登板となった今年9月のオリックス戦も楽天モバイルパーク宮城(同市宮城野区)で観戦した。「来シーズンは200勝を達成できると思っていた。楽天で成し遂げてほしかった」と残念がる一方、「どこに行っても、俺たちのマー君。本人の意思を尊重して応援している」とエールを送った。
南三陸町の居酒屋「鷲巣(イーグルス)」の三浦達也さん(56)も球団創設時からの楽天ファン。店名はもちろん、球団名が由来だ。「楽天に復帰してくれた時は本当にうれしかった。このチームで引退してほしかった」。胸中は複雑だが、「いずれ監督やコーチとして楽天に戻って来てほしい」と願った。