ビットコイン価格を釣り上げたハッカー逮捕、米SECの「アカウント乗っ取り」で
アラバマ州在住の男が今年初め、米証券取引委員会(SEC)のX(旧ツイッター)のアカウントをハッキングし、暗号資産に関する虚偽の情報を投稿したとして10月17日に逮捕された。このハッキングによって、ビットコインの価格が1000ドル以上急騰したと米司法省は発表した。 25歳のエリック・カウンシル・ジュニアは、米連邦捜査局(FBI)に逮捕され、個人情報の窃盗と不正アクセスの罪で起訴されたと司法省は述べている。 検察によると、カウンシルは1月9日に他者と共謀してSECのXのアカウントをハッキングし、同局が現物ビットコインの上場投資信託(ETF)を承認した旨の虚偽の投稿を行っていた。この投稿により、ビットコインの価格は一時1000ドル以上上昇した。 SECはその後、アカウントの権限を取り戻し、この投稿が虚偽のものだったと発表したが、これを受けてビットコインの価格は約2000ドル下落していた(SECは、後に現物ビットコインETFを承認した)。 検察によれば、カウンシルは「SIMスワップ」という手法を用いて、他人の携帯電話番号を不正に別の端末に割り当てて、アカウントを管理していた人物になりすまし、Xのアカウントを乗っ取っていた。 カウンシルの弁護士は、フォーブスのコメント要請に直ちに応じなかった。カウンシルは、今後の裁判で有罪となった場合に最長5年の懲役を科される可能性があると司法省は述べている。 SECは、1月にXのアカウントを何者かに乗っ取られ、現物ビットコインETFの承認を当初の予定よりも早く発表されたことを認めていた。同局は、事件後の通信会社との協議の結果、アカウントがSIMスワップによって乗っ取られたと判断した。このハッキングで同局のシステムやデータ、デバイス、その他のSNSのアカウントへのアクセスは無かったとSECは述べていた。同局のアカウントへのアクセスには多要素認証が設定されていなかったが、ハッキング後に導入されたという。
Ty Roush