中国株の急騰、米トレーダーには響かず-中国刺激策巡る懸念で隔たり
さらに、たとえ中国指導部がこの偉業を成し遂げたとしても、米国がどれだけ恩恵を受けるのかは依然不透明だ。米国は他の多くの先進国に比べ貿易成長への依存度が著しく低い上、中国は米最大の貿易相手国の地位をメキシコに明け渡したばかりだからだ。
現在、S&P500は中国株に対して過去最高に近いバリュエーション・プレミアムがあり、投資家は今後の見通しを判断する上で、米消費者の継続的な回復力や米金融当局による利下げの軌道など国内要因に注目している。
一方、中国株は今月、大幅に上昇し、ブルームバーグのデータによると、世界の主要92指数のうち、香港と上海の指数が上位3位を占めている。
中国株は昨年、最悪のパフォーマンスを記録し、一時は「投資不可能」とさえ言われていたことを考慮すると、センチメントは劇的に変化したことになる。最近の上昇を後押ししたのは相場下落に賭けた空売り筋で、損失を抑制するために買い戻しを余儀なくされた形だ。
もっとも回復はまだ初期段階で、CSI300は21年の高値をなお30%下回っている。さらに不動産危機やデフレ、成長鈍化、若年層の失業率上昇など中国が直面している課題はすぐに解消されるものではない。
ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のチーフ株式ストラテジスト、ジーナ・マーティン・アダムス氏は「今回の大規模な措置が深刻な問題を抱える中国の不動産セクターを救い、消費者の不安を和らげるかどうかは不透明だ」と指摘。「中国が週末に行った措置は新興市場の24年や25年の収益見通しを全体的に押し上げるには至っておらず、アナリストや投資家は影響を評価しているところだ」と語った。
原題:Erupting China Stocks Barely Audible to US Traders in Fed Bubble(抜粋)
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Lu Wang, Yiqin Shen