「違反ごみ」氏名公表 福島市が新規定、県内初の開封調査 3月施行へ
福島市は20日、適正に分別されないなどの「違反ごみ」について、改善勧告に従わない場合に氏名などを公表する規定を新設すると発表した。新たな規定の導入で市民や事業者に排出ルールの徹底を促し、ごみの減量やリサイクルの推進を図りたい考えだ。12月議会に市廃棄物処理条例の改正案を提出、来年3月の施行を目指す。20日の記者会見で木幡浩市長が発表した。 違反ごみは、「可燃」「不燃」などに分別されず出されたごみや、本来なら排出できない事業系ごみが該当する。会社や工場などの事業者が排出する事業系ごみは自己搬入するなどの処理が必要となるが、市によると、一般のごみ集積所に出されるケースが相次いでいるという。 違反ごみがあった場合の対応イメージは【図】の通り。条例改正案では、ごみの適正排出を「市民の責務」として明確化。排出者不明の違反ごみについては市が開封調査し、排出者を特定した上で改善を求める。市によると、開封調査の導入は県内初とみられる。改善勧告に従わなかった場合の罰則は設けない考え。 市によると、これまで違法ごみの排出者が不明の場合は違反シールを貼って残置としていたが、改善が見られなかった。木幡市長は「ごみを個人の所有物と言われると開封は法令上の限界があった」とした上で「ごみ減量は最重要課題。分別を進めていけば、減量につながると捉えている」と述べた。市によると、昨年度の不適正に排出されたごみは、約9千件あったといい、収集業者の業務負担などが懸念されている。市は、28日に開かれる廃棄物減量等推進審議会に条例改正案を示す予定。
福島民友新聞