「キチリキキチロウ・キョウカン」ではありません。台湾の少数民族団体が「プレミア12」出場選手の呼称めぐり日本メディアに注意喚起。正しい読み方は?
2024年11月9日~24日まで東京ドームなど世界各地の会場で行われる野球の国際大会「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」。 【画像】台湾原住民族青年団体による「公開書簡」を見る 予選を突破したチャイニーズ・タイペイ(台湾)チームに所属する選手の日本語表記に問題があるとして、台湾の少数民族団体が11月20日、日本メディア向けの公開書簡をInstagramで発表しました。 (※本記事は、台湾原住民族青年団体の投稿にならい、以降、「チャイニーズ・タイペイチーム」ではなく「台湾チーム」と表記します)
台湾原住民族青年団体は、台湾チームがGROUP Bの予選を突破し、東京ドームで行われるSUPER ROUNDで戦えることを嬉しく思っていることを述べた上で、選手の表記について以下のようにつづりました。 「台湾チームの中で特に注目を集めているパイワン族出身の選手、giljegiljaw kungkuan(ギリギラウ・コンクアン)の名前について、放送の際に翻訳の問題が発生していることに気づきました」 「いくつかの日本のメディアの放送では、彼のパイワン族の名前である『giljegiljaw kungkuan』について、漢字表記の『吉力吉撈・鞏冠』をもとに『キチリキキチロウ・キョウカン』と発音されており、パイワン語の発音とは大きく異なっています」 「そこで私たちは、できる限りパイワン語の発音に沿った形で彼の名前を放送していただけるよう、心からお願い申し上げます」 「もしカタカナで表記する必要がある場合でも、パイワン語の原音に基づいて表記し、漢字の読みではなくパイワン語の発音に従うようお願いしたいと思います」 また、口語での呼称については、 「giljegiljaw は彼の個人名であり、kungkuan は家屋の名前です」 「個人を呼ぶときは、個人名のみを用い、家屋名のみで呼称することはありません」 「giljegiljaw はパイワン族の慣習的な短縮形で giljaw と呼ばれますが、これは親しい友人や家族の間で使われるものであり、正式な放送では使用を控えることをお勧めします」 とコメント。 できるだけ原音に近いカタカナ表記は、選手の個人名が「giljegiljaw (ギリギラウ)」、選手の個人名の短縮形が「giljaw (ギラウ)」、選手の家屋名が「kungkuan (コンクアン)」とのことです。 そして、「この世界的に注目されるスポーツ大会を通じて、私たち原住民族の選手とその命名文化が、より正確に理解されることを心から期待し、深く感謝申し上げます」とつづって、投稿を締めくくりました。
ネット上での反響は……?
「当事者がそう要望されるなら、応えるべきですよね」 「現地での発音・読みに近い形が尊重されるべきです」 「台湾原住民の場合は元記事のように独特なものが多いので、このようにレクチャーしてもらえるととってもありがたいです」 「せっかくの機会なので覚えておきたいですね」 などの声が寄せられています。
BuzzFeed Japan