堀田茜ちゃんが旅のプロに聞いてみた!「旅で予定調和にならない発見を得るには?」|CLASSY.
堀田茜が「30代になってなんだか気になる…」と感じるタイムリーな話題を、今会いたい識者に直接聞きに行く連載19回目。この話、ほったらかしにしなくて良かったと思える日が必ず来るはず!
せっかく旅をするなら、予定調和にならない発見がほしい
今月のゲストは…写真家・ヨシダナギさん 【今月の茜のモヤモヤ案件】 旅の目的をパターン化せず、常に新鮮な発見や刺激が得られたらいいなと思っています。多くの国に旅をして、写真作品を発表しているヨシダナギさんですが自分の視点に鮮度を保つためにできることはありますか。
「良くも悪くも予定通りにはならない旅をする。誰かと一緒なら何か起きても笑えますよ」(ヨシダ)
茜:私自身旅が好きで、旅好きなCLASSY.読者も多いですが、せっかくならもっと、予定調和にならない発見が得られたらと思います。ヨシダナギさんは世界中の少数民族を撮影し作品を発表していらっしゃいますが、新鮮な気持ちで国や人を見るためにどう旅と向き合っていらっしゃるのかお伺いしたくて、今回はお越しいただきました。 ヨシダ:私は元々喜怒哀楽が少なくて、海外に行ったらその気持ちが生まれるかなと考えたのが旅の始まりでした。初めて海外に行ったのは20歳でそれから何度か旅を重ね、23歳のときに「子供の頃から憧れていたアフリカに行きたい」と旅したのが転機。街の人たちがやさしくて、初めて会った私のことを家族のように受け入れてくれて。怒りや、悲しいという気持ちも感じられました。お互いに言葉は通じないけれど、受け入れてもらえていることはわかるし、心で通じ合えるんですよ。その一方で理不尽なことも起きるので、そういうこととも格闘しなきゃいけない。日本にいたら生まれない感情を得られるところに、私は楽しさを覚えました。 茜:パッションで伝わることって日常にもたくさんあるんだろうけど、具体的に実感できる場面は少ないですよね。 ヨシダ:私が現地で関わるのは少数民族で、相手の時間や都合と関係なく過ごしている人たちだから予定調和は絶対に叶わないんです。だから、今回のモヤモヤ案件にお答えするなら、現地の人と過ごす、コミュニケーションを取ってみる。良くも悪くもいろんなことがあるから。 茜:言葉の通じない人と過ごすって、怖くないですか? ヨシダ:私、コミュニケーションが得意ではないので逆に日本語と英語が通じる人や場所が苦手です。言葉が通じないとわかったら喋らなくていいじゃないですか。それがラク。その人がいい人なのか悪い人なのか、根本的な部分を見抜くだけになるから。 茜:あぁ…たとえば海外の映画を観るときに字幕があると、つい字だけを追ってしまってそこでストーリーを理解しようとするけど、字幕なしで観ると人の動きや表情に注目するし、そこで人の気持ちを汲み取ろうとする。その感覚に近いのかな…。 ヨシダ:そうですね。特に少数民族の人は、相手が自分のことを好きだと言葉で伝えたとしても、態度が伴っているかをすごく見てるんですよ。人間の本質ってそこ。言葉があるとそれ故に嘘くさく感じる事柄も多いし、嘘だって多い。 茜:言葉が通じない場所で、人としてどう生きるかを求めていらっしゃる姿にすごく惹かれます。そういう場所に行ったことがないんですけど、どんな気持ちで挑めばいいですか。背中を押してほしい気持ちがあるんですけど…(笑)。 ヨシダ:私自身も行ったことがない場所には不安がありますよ。不安があると何を調べてもネガティブな情報ばかり拾ってしまうんですよね。でも誰か一緒に行く人がいれば何かハプニングが起きても笑えるし、相手がそれを楽しんでいたら自分も楽しめる。ひとりで行くより楽しめる要素が強いから、難しく考えず、誰かと一緒に行くのがいいかもしれません。