横浜の「スーパー1年生」右腕・織田に、かなりの伸びしろを見た!一番の武器は「緩急」【この秋輝いた球児たち】
2024年の第55回明治神宮野球大会の高校の部で、横浜(関東・神奈川)が27年ぶり2回目の優勝を果たした。原動力となったのは投手力。その「主役」となったのが、「スーパー1年生」と評される織田 翔希投手(1年)だった。 織田の投手成績が凄い! 初戦で明徳義塾(四国・高知)相手に完封勝利を挙げると、東洋大姫路(近畿・兵庫)戦ではリリーフ。決勝の大一番、広島商(中国・広島)では、先発9回途中3失点(自責1)と好投してチームを優勝に導いた。3試合での防御率は0.84と驚異的な数字を残した。 最速は150キロ。中学時代は軟式で143キロをマークするなど、かなりのポテンシャルを秘めている。まだまだ球速は伸びることだろう。 明治神宮大会の投げっぷりを見ていて、一番印象に残ったのは、その直球の威力ではなかった。その「反対」の球種である、遅いカーブに将来性の高さが垣間見えた。昔でいうところの「ドロップ」のように、大きく縦に割れる。常時140キロ後半の速い直球と、110キロ前後の遅いカーブ。この緩急で打者を翻弄していた。 さらにチェンジアップも「緩急」をつける球種として有効だった。高低でも「緩急」をつけるカーブに加え、チェンジアップを使って奥行きでも「緩急」をつけていた。 スライダーやカットボールなど、横の変化をつける変化球よりも難しいとされる、大きなカーブとチェンジアップを操る当たりも、投手としての素質が高い証拠だろう。今後、さまざまな球種をマスターしていくことになると思うが、カーブとチェンジアップはさらに磨きをかけていってほしいと思う。