「壁になるような力士がいない」「陳列棚に商品がないお店と一緒」先場所に続き若手力士が台頭の理由
◆大相撲 夏場所千秋楽（２６日、東京・両国国技館） 新小結・大の里（２３）＝二所ノ関＝が初優勝を飾った。勝てば賜杯が決まる関脇・阿炎（３０）＝錣山＝との一番を押し出しで制し、１２勝３敗。初土俵から所要７場所での制覇は、幕下付け出しでは元横綱・輪島の１５場所を大きく更新する最速記録。付け出しを除いても先場所の尊富士の１０場所を上回った。新三役での優勝は６７年ぶりとなった。石川県出身力士の優勝は輪島、１９９９年名古屋場所の出島以来、３人目。能登半島地震に見舞われた被災地へ明るい話題を届けた。 【写真】大の里と「父の里」顔そっくり父子２ショット！ ＊ ＊ ＊ ＊ ＊ １１０年ぶりの新入幕優勝を遂げた先場所の尊富士に続き、大の里がデビュー１年で初賜杯を抱いた。一方で初日から１横綱４大関が総崩れ。三役以上の休場が相次いだ。こうした上位の不振ぶりが、若手の台頭を招いた一要因となった。 現役時代は白鵬が君臨した中で戦った武隈親方（元大関・豪栄道）は「壁になるような力士がいないから若手が活躍している」と分析する。芝田山親方（元横綱・大乃国）は「土俵の上からいなくなってしまうのが一番の問題。陳列棚に商品がないお店と一緒だ」と看板力士の責任が問われる事態を嘆いた。
報知新聞社
