技と創造、秀作一堂に 笠間で「伝統工芸茨城展」 市内2会場 茨城
第19回伝統工芸茨城展(日本工芸会東日本支部茨城研究会主催)が30日、茨城県笠間市南友部のウィンド・パワー・ギャラリー「GATE」と同市笠間の笠間工芸の丘クラフトギャラリーの2会場で始まった。高度な技術を駆使して制作された陶芸や漆芸など、作家の創造性あふれる唯一無二の秀作を披露している。 同展は隔年開催。今回は同研究会(浦口雅行幹事長)の会員15人が両会場で計約300点を出品している。GATE会場に展示された陶芸家、浦口さんの作品「陶衝立『流』」は高さ約130センチの大作。作品に正面と裏面はなく両表だとし、浦口さんは「(縦の線は)水の流れをイメージし、(表面の色も)光と影、陰と陽を表現した」と説明した。木漆工芸作家、辻徹さんの作品「楢拭漆立礼卓」は、お茶のお点前ができる造りでナラの木の一枚板がひときわ目立つ。 初日に鑑賞した同県水戸市の森田百合子さんは「一作一作が素晴らしい。建物に自然光が差すぜいたくな空間で、ぜいたくな時間となった」と感想を話した。 浦口さんは「2会場の雰囲気の違いを見て、伝統工芸の新たな魅力を見つけてほしい」と来場を呼びかける。 GATE会場では、漆芸家で重要無形文化財保持者(人間国宝)の大西勲さん=故人=と、陶芸家で笠間焼の発展に尽力した荒田耕治さん=同=の作品も飾られている。 会期はGATE会場が11月4日、工芸の丘会場が同10日。ともに入館無料。
茨城新聞社