ドジャースは“NPBに見捨てられた男”北方悠誠の何を評価してマイナー契約を結んだのか?
たまたまアジアに出張していたドジャースの国際スカウト部長が来日して5月4日に北方のピッチングを視察。北方は、その目の前で160キロをマークした。5月8日にはマイナー契約で合意。わずか4日間でのスピード契約だが、ドジャースの鈴木氏曰く、メジャーではドミニカの選手を目の前で見て即契約という例もあって決して珍しくはないという。 オリックス時代には国際部に所属、テリー・コリンズ監督の専属通訳も務めNPBの野球にも詳しい鈴木氏は、“NPBに見捨てられた男”のどこを見直したのか? 「スカウティングは1点だけではない。総合力、心技体のすべてを見る。北方選手の練習への態度、オフも休まずにトレーニングしていたことも調査した。その中で課題のコントロールがいい方向に向いていることが確認できた。球速も高いレベルを維持している。国際部長が見ている前で100マイル(約161キロ)を出した。その姿勢も含めて総合的なところで判断した」と、北方獲得に至った理由を説明した。 「彼に夢をつかんでもらう下地をつくることができるかなと思った。環境を整えて1日でも早く(メジャーの)舞台で頑張ってもらいたい」 北方も、どこを買われたかを理解している。 「ストレートの調子がいい。それをストライクゾーンに思い切り腕を振って投げると、(メジャーの選手が)どう反応するかが楽しみ。そこで考えてレベルアップできたらいいなと思う」 そして「先発、中継ぎにこだわりはない。与えられたところでしっかりとパフォーマンスを出せるように。メジャー昇格の時期? そこまでは考えていない。1試合1試合を大事に投げていきたい」と続けた。 ドジャースの印象について聞かれ「日本人の大先輩である前田健太さんが所属されているというのが第一印象。ワールドシリーズにも去年、一昨年と出場している。強いチーム。力対力の勝負がメジャーじゃないかな、と僕は思います」と言う。