ベネズエラ発「博士の綺奏曲」監督ニコ・マンサーノが「世界中の人々が共感する」
ベネズエラ映画「博士の綺奏曲(きそうきょく)」の予告編と場面写真が解禁。あわせて監督のニコ・マンサーノによるオフィシャルインタビューが到着した。 【動画】ベネズエラ映画「博士の綺奏曲」予告編はこちら 本作の主人公は、研究所に勤めながらオルタナティブロックバンド「ロス・ピジャミスタス」のボーカルとして活動していたアンドレス。彼は、汚職まみれの政権が主催する音楽祭にメンバーが参加しようとしていた事実を知り、バンドからの脱退を決意する。そしてソロでの活動を開始したアンドレスのもとに、顔なき奏者“ビースト”たちが現れ、彼らとともに孤高のアルバム制作を試みる。予告編はYouTubeで公開中だ。 経済危機や大規模停電により国外亡命者が続出した2016年のベネズエラを背景に脚本を執筆したマンサーノ。彼は「私たちのプリプロダクション(映画などの映像制作における、撮影前の準備作業の総称)の打ち合わせはデモ活動中に行われました。制作の進捗を確認するために早朝5時に会わなければならず、その後一度帰宅してから7時のデモ活動に参加していました」と撮影当時の状況を振り返る。 また、ビーストが象徴するものを尋ねられたマンサーノは「太陽の光、そよ風、自然を体現する流動的な音楽のしなやかさを『ビースト』を通し視覚的に表現したかったのです。これらの要素にマッチするさまざまなイメージをブレインストーミングし、コンセプトを立てました」と説明。さらに彼は「自分自身の情熱に完全に身を捧げることができないものの、それを支えるために日中仕事をせざるを得ない人物についての物語です。世界中の人々が共感するでしょう」と伝えた。 「博士の綺奏曲」は、11月9日より東京のシアター・イメージフォーラムほか全国で順次公開。へスース・ヌネスがアンドレスを演じ、ガブリエル・アグエロエ、ステファニア・キハダ、アーヴィング・コロネルがキャストに名を連ねた。 (c)Bendita films/Cinemago