牛げっぷのメタン減らせ 海藻飼料実用化へ 農林中金と漁協が連携
農林中央金庫は、牛のげっぷに含まれる温室効果ガス・メタンの削減に向け、山川町漁協(鹿児島県指宿市)、微細藻類の培養技術の開発を手がけるアルヌール(東京都渋谷区)と連携に合意した。牛の飼料に混ぜるとげっぷ由来のメタンを減らせるとされる海藻カギケノリの研究や養殖、畜産現場での実用化などを目指す。 カギケノリについて、オーストラリアでは、飼料に0・2%配合してメタン排出量を最大98%減少させたという研究結果がある。日本国内でも削減効果を示す研究成果がある。 同漁協の漁場近くの海域ではカギケノリの生息が確認されている。メタン削減に向けた安定供給へ、アルヌールと連携し、海上養殖技術の開発や畜産現場での効果の実証などを柱とするプロジェクトを進めている。 今回の合意で農林中金も連携に加わり、今後の両者の技術開発を支える。メタン削減効果のカーボンクレジット化など、持続可能な取り組みにするための支援も進める方向だ。3者は取り組みを「Kaginowa(カギノワ)」と題し、連携を強化していく。(岡信吾)
日本農業新聞