憧れのブルーガーデンを、小さな庭やベランダでも
青い花には、不思議な魅力があります。空の青、海の青。青い世界で生きてきた私たちにとって、青は心を落ち着かせ、好きにならずにはいられない、特別な色なのかもしれません。『趣味の園芸』2024年3月号では、可憐な青い花を特集。ガーデナーの永江晴子さんには、ブルーが引き立つ組み合わせや、庭やベランダに青い花を取り入れるコツを教えていただきました。 みんなの青い花の写真
「青」を主役に景色をつくる
永江さんのおすすめは、観賞と収穫の両方が楽しめる植物を集めた「青い花の咲くハーブが主役のキッチンガーデン」。1~2種類の植物を鉢に植えて、それらをまとめて配置する「寄せ鉢」スタイルなら、小さな庭やベランダでも憧れのブルーガーデンをつくることができます。 透き通るようなブルーの花が可憐なボリジを主役に、背景には草丈の高いチコリとローズマリーを配置。こちらも青い花が咲きます。前景にはビオラを。シーズンが終わったら、開花期が長いラベンダー・デンタータにバトンタッチ。植え替えや配置替えを気軽にできるのも、寄せ鉢のメリット。秋までの長い間、青い景色を堪能できます。
ボリジ。一年草のハーブ。爽やかな青色をした星形の花は、聖母マリアの青い衣の色をイメージさせることから「マドンナ・ブルー」とも呼ばれる。葉にはキュウリのような香りがあり、葉や花はサラダなどで食べられる。
植栽の印象を変える青色は万能カラー
「青い花には、どこか神秘的で特別なものを感じます」という永江さん。 「スミレなど、日本全国で見られる野草にも青い花はありますが、野山や道端で咲いている姿は、小さい花なのにパッと目を引きます。凛として爽やかで美しい。それが青色のもつ魅力なのでしょう」。 花壇や寄せ植えでは、赤やピンク、黄色など暖色系の草花が多くなりがち。そこに青い花を合わせることで印象をがらりと変えることができると、永江さんはいいます。 「コロナ禍では、医療従事者への感謝を示す色として『青』がクローズアップされました。公園の植栽でも、青い花を意識して取り入れていました。洗練された雰囲気を出せるのも、青い花の利点です。いろいろな人が目にする公共の場所では、明るく元気な黄色をメインカラーにして、青を差し色に。個人の庭やベランダなら、青花をメインにしたり、白と青でスタイリッシュにまとめたり、好みに合わせて自由に楽しめますね」 3月号では、青い花を主役にするスタイル、ほかの色と共演するスタイル、2通りの楽しみ方を永江さんが提案してくれました。 「園芸ビギナーにも育てやすい、丈夫な植物を紹介していますので、自分らしい組み合わせを見つけてください」(永江さん) 永江晴子(ながえ・はるこ) 園芸研究家 横浜の公園管理を担当するほか、園芸の楽しさを伝えるワークショップでも活躍。近年は養蜂も手がける。宿根草やハーブを用いたローメンテナンスな植栽を得意とし、2023年に代々木公園で開催された「第1回 東京パークガーデンアワード」の入賞も記憶に新しい。 ●『趣味の園芸』2024年3月号 「主役にもわき役にも ワクワク×2!青い花」より