日本バンタム級新王者に富施郁哉「バンタム級は今アツいんで、入り込めるように頑張りたい」
「ボクシング・日本バンタム級王座決定戦」(2日、後楽園ホール) 1位の富施郁哉(25)=ワタナベ=と2位の杉本太一(25)=勝輝=の間で王座決定戦が行われ、富施が5回1分38秒、TKO勝ちで新王者となった。 【写真】崩れ落ちる杉本太一 KOで日本王座を奪った富施郁哉 富施は5回、連打からの左ストレートでダウンを奪取。さらに「感触があった」というボディーからラッシュし、左で再びダウンを奪ったところでレフェリーが試合を止めた。敗れた杉本も試合後にボディーが「めちゃくちゃ効きました」と明かした。 「勝って泣いたのは初めて」と歓喜の涙を流した富施は、ヨネクラジムから行動を共にしてきた町田主計トレーナーの顔を見たら「(涙が)こみ上げてきました。町田先生と取れたのがうれしい」と打ち明けた。 セコンドには2日前にIBF世界ミニマム級王座を防衛したばかりで、私生活でも仲がいいという重岡銀次朗も付いており、富施は「いつも付いてくれる。ムチャクチャ心強い。同じサウスポーでアドバイスが的確」と感謝した。 バンタム級はWBA世界王座を井上拓真、WBC世界王座を中谷潤人が保持し、IBF世界王座には5月4日に西田凌佑が、WBO世界王座には5月6日に武居由樹が挑戦する他、堤聖也や石田匠、比嘉大吾、栗原慶太、那須川天心らが世界ランキングに名を連ねる日本人の激戦区。富施は「次は指名戦なので、決まったら決まったでやるだけ」と述べており、指名試合となれば国内3位でWBA11位、IBF15位の増田陸との対戦が期待される。 富施は「バンタム級は今アツいんで、でも僕の名前はまだ出ないんで、そこに入り込めるように頑張りたい」と、ワールドクラスへの飛躍を期していた。 名門・東農大ボクシング部で主将を務め、2022年の全日本選手権ではライトミドル級で準優勝した野上昴生(23)=ワタナベ=は、6回戦デビューからプロ2戦目で8回戦に出場し、サックダー・ランカーバム(26)=タイ=と対戦。1回に右ボディーで最初のダウンを奪い、2回にカウンターの右でよろめかせると右フックで2度目のダウンをダッシュ。左ストレートで3度目のダウンを奪ったところでレフェリーが試合を止め、2回1分48秒でデビュー戦に続いてTKO勝ちを飾った。 野上は「今日もしっかりKOで勝つことができて素直にうれしい」と笑顔。「今年はしっかり試合して、早く日本のウエルター級の中で一番強いことを証明して、もっともっと上に行きたい」と話していた。