Q.「16時間断食」を続けるコツは、空腹時間を作るだけと割り切ること!?
「16時間断食」がオヤジに有効なワケ第4弾。実践して9カ月の担当編集・Kが驚いたのは、効果だけでなく、簡単に継続できること! 空腹に慣れた今、栄養バランスにも気を遣うべき? と欲が出てきたので、提唱者の医学博士・青木 厚先生に聞いてみました。 ちょい痩せの極意
A.16時間断食は“時間にフォーカスした栄養学”。空腹時間を作るだけでOKです
8時間は何を食べても飲んでもOK! 1日16時間断食するだけ(睡眠時間を含めて可、0kcalの飲み物可)のダイエットを提唱する、40万部突破のベストセラー『「空腹」こそ最強のクスリ』に、「これなら簡単」と感銘を受けた担当編集・K(50代女性)が挑戦。 2カ月で3kg減ったことに気をよくして続けること9カ月の今、体重5kg減(BMI 21.5→19.5)、ウエスト7cm減を達成。結果だけでなく、難なく続けられたことに驚き、これをオヤジさんにも伝えねばと、著者の医学博士・青木 厚先生を取材しました。 空腹の時間を作ることで、加齢や食べすぎによるダメージがリセットでき、「オートファジー(古くなった細胞が新しく生まれ変わる体の仕組み)」が活性化して、体が若々しく蘇る、まさにオヤジ向きの食事法が「16時間断食」。実践中に浮かんだ疑問を、先生にぶつけてみたのでご注目!
Q.「16時間断食」を続けるコツは、空腹時間を作るだけと割り切ること!?
K 16時間断食を一生続けたいと思っています。私の断食タイムは22:00~14:00で、昼と夜の2食ですが、一般的に食べたほうがいいとされる朝食をとらなくても問題ないんですか? 先生 朝食を食べたほうが体重が減りやすいと言われてきましたが、たいしたエビデンスはないんです。臨床学の雑誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」でも新しい研究結果として、「朝食をとることは健康的には悪くないかもしれないが、体重増加を抑止するわけではない」と報告されています。刷り込まれているだけで、実はエビデンスのレベルは高くない、根拠がない説ですね。 K よかった! 1日2食でOKなワケですね。では16時間断食を続けるための、ベストな断食タイムはありますか? 先生 人間の体内時計、いわゆるサーカディアンリズムに合わせて、朝は8時から食べ始めて夕方の16時までに食べ終わるのが理想です。エネルギー消費量が多い昼間に食事をとるのがベストですが、働いている世代にはなかなか難しいですよね? K はい! 仕事終わりのビールや食事ができなくなると、日々の楽しみがなくなってしまいます。 先生 あくまで理想ですからね。日中に仕事をしている人は、食べてOKな時間を12時から20時までなど、無理なく続けられる設定にするといいでしょう。 僕も実践中は、7時の朝食から21時頃の夕食までの仕事の間は何も食べない、平日は14~16時間断食、土日のどちらかは夕食しか食べない24時間断食の設定にしてました。Kさんのような設定も、自分の生活リズムに合っていて効果が出ているなら問題ありません。とにかく大事なのは、続けることです。 K そういえば、食事の総量が減ったからか便秘になったのですが、オススメの対処法はありますか? 先生 お腹が張って痛いなら便秘ですが、便の回数も人それぞれだから、辛くなければ便秘じゃないんです。食べる量が減っているのに、毎日出さなきゃというのもおかしな話でしょ。僕も2日に1回くらいしか出ませんよ。 K 辛くないなら、便秘じゃないんですね! あとは、気づくと1日2食が麺類や丼もので炭水化物を多く摂りがちですが、一生続けるなら、栄養バランスも意識したほうがいいですよね? 先生 炭水化物は安くてお腹がいっぱいになるし、アクセスしやすいから、こんなにいい食べ物はありません。もちろんそればかり食べていたら健康を害するのは事実ですが、言い始めるとキリがないんですよね。 だから、16時間断食は“時間にフォーカスした栄養学”と割り切って、シンプルに断食を16時間できればいい、これくらいの心積りで続けるのがいいと思いますよ。
● 青木 厚(あおき・あつし)
医学博士。あおき内科・さいたま糖尿病クリニック院長。自治医科大学附属さいたま医療センター内分泌代謝科などを経て、2015年、青木内科・リハビリテーション科(2019年に現名称に)を開設。糖尿病、高血圧、高脂血症、生活習慣病が専門。糖尿病患者の治療に著書の食事術を取り入れ、インスリン離悦や薬を使わない治療に成功するなど成果を挙げている。自身も40歳の時に舌がんを患うも完治。食事療法を実践してガンの再発を防いでいる。ライザップの医療監修ほか、「行列のできる法律相談所」(日本テレビ)、「直撃!コロシアム!ズバッとTV」(TBS)などメディア出演多数。
イラスト/STOMACHACHE. 文/大塚綾子 編集/菊地奈緒(LEON.JP)