オリンピアン・高橋大輔さんが愛車歴を初披露! SUVを乗り継ぐワケとは
憧れの1台を現実に
実は高橋さん、バンクーバー五輪でメダルを取ったときに、引退も頭をよぎったという。 「気持ちとしては続ける必要もないし、続けてもいいし、という曖昧な状態でした。でも練習も自分でプラドを運転して行くようになったり、振り付けのためにひとりで海外へ行って、空港へ着いたらレンタカーを運転したりするようになって、なんとなくフィギュアを辞めるということは考えなくなりました。クルマというプライベート空間が好きなので、運転中は考えごとをしたり、音楽を聴いたりして過ごしています。ときには、自分が使う音楽を探すためにとりあえず曲を流していることもあります。長距離運転も苦じゃなくて、東京から大阪まで帰ることもありました。プラドには、たくさん思い出が詰まっていますね」 気に入っていたというプラドには、結局6年ほど乗ったという。 「いろいろ考えて、今のうちに憧れの1台に乗っておくのもいいかなぁ……と、思いました。ただ、自分が外車に乗っている姿がイメージできなかったので、最終的に候補に残ったのは『ランドクルーザー 200』とレクサス『LX』でした。それで、いましか乗れないかもしれないから、と、自分で自分の背中を押して、黒いLXを選びました」 こうして、31歳の高橋さんは日本における初代レクサスLXに乗るようになった。達成感とか誇らしい気持ちがあったのかという問いには、「こんな高級車に乗れるのは最後かもしれないから、楽しもうと思いました」と、笑った。 「プラドのほうが小まわりは利きましたが、LXはどっしりとした重さ、重厚感みたいなのがあってよかったです。ただ、2019年に転向したアイスダンスのコーチがアメリカにいらっしゃるので、2020年の1月からアメリカへ拠点を移すことになったんです。最低でも2~3年は向こうで暮らすことになるので、LXを手放しました。しかしコロナが始まって、渡米の計画がなくなってしまい……。LXはもう手元にないけれど、とりあえず日本での移動が必要ということで、すぐに乗れるクルマを探してもらって今のクルマとなりました。だから次のクルマは、こだわって選びたいと思っています」 そこで、後編となる次回は、高橋さんがいま気になっているクルマを用意し、次の愛車について考えてもらった。
【プロフィール】高橋大輔(たかはしだいすけ)
86年、岡山県生まれ。02年世界ジュニア選手権優勝。10年バンクーバー五輪銅メダル、世界選手権優勝。12年グランプリファイナル優勝(以上、すべて日本人男子初)。06年トリノ五輪、10年バンクーバー五輪、14年ソチ五輪の3大会連続日本代表。男子シングル、アイスダンスの2つの競技で世界選手権に出場し、23年引退。現在はプロスケーターとしてパフォーマンスをしつつ、アイスショー「滑走屋」のプロデュースなどを手掛ける。 文・サトータケシ 写真・安井宏充(Weekend.) ヘア&メイク・宇田川恵司(heliotrope) スタイリング・折原美奈子 編集・稲垣邦康(GQ)