【ジャパンC】ゴリアット絶好!ラスト1F12秒2、一番成熟した時期
充実一途のフランス馬ゴリアットがターフをぬらす秋雨を切り裂いた。大一番へ向けた最終リハは東京芝コース。コンビを組むスミヨンを背に、道中は帯同馬ルノマドを4馬身追走。小気味良いピッチ走法で、ジリジリと差を詰めると直線は僚馬の外へ。馬なりのまま残り200メートルで半馬身前へ出ると、最後まで抜かせなかった。馬なりで7F90秒6~1F12秒2。グラファール師は「来日以降とても調子が良くて、チームとしても満足している」とうなずいた。 “勝ち方”を知る名手の存在も心強い。鞍上のスミヨンが日本で騎乗するのは19年有馬記念(2着)以来、5年ぶり。14年にはエピファネイアとのコンビでジャパンCを制覇した。「勝利を収めたのは非常にいい経験。国際的にも競馬愛好家にとって重要なレースなので、今回も過去に参加したことも光栄に思っている。ゴリアットは十分な成績を収めてきたので所有者、トレーナーと一丸になって勝つためにここに来た」と力を込める。 3戦連続タッグとなるゴリアットはユニークな“個性”の持ち主でもある。左後肢が地面を離れる瞬間、急激に脚を上げる「鶏跛(けいは)」だ。独特な歩様で一見、心配になるが常歩(なみあし)時に現れ、競走時は消失するため支障はない。スミヨンも「魅力的な特徴で、これだけの勝利を収めてきたのは非常にレアだが全く問題ない」とうなずく。 2走前の英G1キングジョージ6世&クイーンエリザベスSでG1初勝利。のちに凱旋門賞を制するブルーストッキング、再戦となるオーギュストロダンを破り、現在世界4位タイのレーティングを誇る。指揮官も「(ジャパンCは)一番いい馬をもって参加したかった。今年は一番成熟した時期を迎えている」と力強い。“旬”を迎えた4歳秋。日本の大舞台でも主役の座は譲らない。