庶民の郷土料理「自転車飯」が定着する長崎・雲仙 「煮干しサミット」4月20、21日に初開催へ マルシェやラーメン販売も
煮干しを通して日本の食文化を考える「全国煮干しサミットin雲仙大会」が20、21両日、長崎県雲仙市小浜町の小浜体育館を主会場に開かれる。煮干しはカタクチイワシなどを加工して製造するが、同市に面した橘湾は全国有数の漁場。知名度向上につなげようと、地元漁協などでつくる実行委員会が初めて企画した。香川県や千葉県、熊本県など全国の煮干し産地の漁業者も招待し、継続的な開催につなげたい考えだ。 【写真】「雲仙煮干大使」の歌手、鳥羽一郎さん カタクチイワシの全国の漁獲量は2000年代に入ってから減少傾向にあるが、橘湾は海流の好影響もあって安定的な収量がある。橘湾東部漁協によると、昨年は湾内で約1200トンの漁獲量を確保した。雲仙市内では昭和初期から、煮干しと一緒に炊いたご飯をおにぎりにした「自転車飯」が郷土料理として定着。煮干しが“庶民の味”を下支えしている。 サミットでは、漁業者や加工業者、小売業者、消費者らが一堂に会する。歌手の鳥羽一郎さんを「雲仙煮干大使」としてゲストに迎え、トークショーなどを催す。「煮干しの未来を考えよう」と題したシンポジウムでは、大学教授や料理家などが登壇。マルシェもあり、煮干しを使ったラーメンなどを販売する予定。 実行委員長の竹下千代太さん(59)は「煮干しは食材としても優れていて、雲仙が誇る逸品ということを多くの人に知ってほしい」と来場を呼びかける。入場無料。問い合わせは事務局の林田さん=090(1361)1712。 (貞松保範)