ストッキングへ回帰 “グラデタイツ”が流行らなかった理由とは
■「かわいい」などネットでの話題に 昨年、ネット上で突如、話題となったグラデーションタイツ(グラデタイツ)。まとめサイトの閲覧数は50万を超え、「かわいい」「華やか」などの書き込みも多く、新たなトレンドになるかと思われた。しかし、1年経った今でも、街で“グラデタイツ”を見かけることはほとんどない。なぜ“グラデタイツ”は、トレンドになれなかったのか? その背景にはタイツやレギンスなどの厚手から薄手のストッキングへの回帰がある。
■透け感が人気のタトゥーストッキング 脚を彩るおしゃれアイテムとして、2012年ごろから、じわじわと人気が出てきたタトゥーストッキング。昨年春には、ファッションアイテムとしてすっかり定着した。ファッション・ジャーナリストの宮田理江さんは「長年、支持を得てきたタイツやレギンスといった厚手のレッグウエアより、ストッキングのような透け感あるものが、若者には新鮮に感じて受け入れられたのではないでしょうか?春夏は透ける素材がトレンドに浮上してきたこともあり、透ける演出のできるタトゥーストッキングは波にのったような気がします」と分析する。 タトゥーストッキングは、ミニスカートやショートパンツのようなショート丈ボトムスにもフェミニンやドラマ性を添えるとして重宝されている。昨年は、大人っぽいレースや手の込んだ透け模様をあしらったタイプが人気を博していた。 ■タイツやレギンスは飽きられてきた? 移り変わりの激しいファッション業界において、長年、支持を得てきたタイツやレギンスといった厚手の素材。2007年ごろから話題になりはじめ、かれこれ7~8年は、ファッションアイテムの1つとして定着している。しかし、「さすがに、もう飽きられてきて、肌をしっかり隠すレギンスやタイツとは、“透け感”が異なるストッキングが見直されてきています」と宮田さん。タトゥーストッキングの人気などもあり、厚手のタイツからストッキングへの回帰が始まっているという。 さらに、20代以下の女性にとっては、これまでレギンスやタイツを着用してきていたため、その世代を「ストッキングを知らない子どもたち」と呼ぶことができる。そんな彼女たちにとって、ストッキングはむしろ目新しいアイテム。「透けない厚手のタイツでは足が覆われすぎて、色気が出せませんが、ストッキングは透け感が高いので、セクシーな美脚を印象づけやすくなるのも、支持を集める理由のようです」(宮田さん)。