子どもの薬の誤飲を防げ! 薬の収納のコツを伝授【薬剤師】
子どもの薬の誤飲を防ぐための収納ポイント
小さな子どものいる家庭では、子どもの薬の誤飲を防ぐ工夫が必要です。東京消防庁は令和元年から5年までの5年間に5歳以下の子ども5528人がたばこや薬などの誤飲・窒息事故で救急搬送したことを報じており、誤飲事故は決して他人ごとではありません(※1)。 子どもの誤飲を防いで薬を収納するためのポイントは次の2つです。
子どもの目につかない場所に置く
薬の誤飲を防ぐために、小さな子どもの目につかない場所・手の届かない場所に薬を保管しましょう。扉付きの収納棚やキッチンボードの一番上の棚など、子どもが関心を抱きにくい場所を選ぶのがポイントです。 なお、自分で歩けるようになると、子どもは椅子や踏み台などを足場にして高い所のものを取ってしまう場合があります(※2)。小さな子どもは周囲への関心が高くママ・パパのマネをしたがるため、「子どもの手が届かないから大丈夫」と安心せずにさまざまなケースを想定しましょう。
子どもが開けられない袋やケースを使う
万が一小さな子どもが薬を手にしても、自力で開封できない袋やケースを使用していれば誤飲を防止できます。噛んでも破れにくい素材の袋や、子どもが開けられないロック付きのケースなどを選びましょう。また、市販の子ども用風邪シロップなどには「チャイルドレジスタンス包装容器」と呼ばれる子どもが開けにくい構造の容器の薬も販売されているので、そのような製品を選ぶのもひとつです。 普段は薬の置き場所に注意していても、他の子どもに飲ませるために薬箱を一時的に床に置いてしまうケースもみられます。実際にそのような状況での乳幼児の誤飲事故も報告されているため、もし子どもが薬を手にしても誤飲できないように備えることが重要です(※2)。
薬の保管時の注意点
保管している薬は定期的に見直して、期限切れの薬を処分しましょう。薬を保管する際には、直射日光や多湿な場所を避けることも必要です。 粉薬は湿気に弱いので、乾燥剤を入れて缶で保管することをおすすめします。ただし、お菓子の缶を利用すると小さな子どもの関心を引いてしまう場合もあるので注意しましょう。