「心で寄り添う社会実現を」 被害者支援公開講座 池田さん(北九州)講演【山口】
山口被害者支援センター主催の公開講座は12日、山口市小郡令和1丁目のKDDI維新ホールで開かれた。8年前に交通事故で、当時6歳だった四女を亡くした池田かおりさん(福岡県北九州市)が講演。80人が聴講し、心で寄り添い支え合う社会の実現を目指す気持ちを強くした。 池田さんは、事故当日の状況、医療関係者らが最善を尽くしてくれたことを振り返り「どういった支援があったら良かったかと、よく聞かれるが、悪かったことは一つもない。警察、行政、報道、地域の方々が真心で接してくれたからだと思う」と語った。 天国で四女が笑っていられるように、涙は出るが不幸だとは思わず、家族で何でも話し合ってきたと紹介。しかし、世の中には話せる相手がいない人もいるとし「困っている方に、優しい言葉で寄り添える人になって。その際には解決策をアドバイスするのではなく、ただ話を聞いて受け止めることが大事」と強調した。 生前、四女が遊園地に行きたい理由を「みんなのえがおがみられるから」と平仮名で書き記していたことに触れて「生きる上での一番の喜びは、人に喜んでもらうことだと娘から教わった。人にうれしいと思ってもらえる行いを積み重ねていきたい」と話した。