まひろと周明が再会した「大宰府の市」 時代劇の聖地でロケ 五節の舞も撮影 光る君へ「美術」の世界
大宰府といえば菅原道真と梅ケ枝餅のイメージが強い。菅原道真は「光る君へ」より少し前の時代の人物。老婆が梅の枝に餅をさして菅原道真に渡したという説が伝わっていることから、市でも梅ケ枝餅の露店を作った。
枝茂川さんは「梅の枝に餅を刺して作りますが、本物のお餅を使うわけにいきません。装飾部が粘土で作ってくれた餅を梅の枝に刺しました」と説明する。
露店にはさまざまな商品が並ぶ。まひろが立ち寄る場所ということで、まひろの好みそうな墨や文房具も並べた。さらに、まひろが周明との再会を果たす場面となるため、周明の買い物の目的となるような薬種の店も配置した。化粧品を売っている露店では、梅の形の髪留めも置かれている。まひろの従者の乙丸が、京で待つきぬにお土産に買っていく場面も撮影されたという。登場人物のキャラクターを考えた飾り付けがされているのだ。
■ロケとスタジオをつなぐ
大宰府編は、えさし藤原の郷でのロケに加え、東京のNHKのスタジオで撮影。ロケセットとスタジオセットの違和感がないようにする、という苦労もあったという。
枝茂川さんは「えさし藤原の郷の建物はスタジオセットより大きいので、いかにロケの建物とスタジオセットの建物を同化させられるかを考えました」。
セットの建物の高さや色をロケ先の建物に合わせたり、スタジオセットで使われたレンガや石風のパーツをロケ先に持ち込んだり、とつながりを持たせたという。(油原聡子)