イギリス国王チャールズ3世は21日、訪問中のオーストラリアの国会議事堂で演説をした。話し終えた直後、「あなたは私の国王ではない」という大声が、その場にいた上院議員（無所属）から上がった。議員は警備スタッフによって会場外に退出させられた。 声を張り上げたのは、先住民のリディア・ソープ上院議員。約1分間、大きな声を出して式典を妨害し、警備スタッフに連れ出された。 ソープ議員は、演説を終えたチャールズ国王が演台を立ち去ろうとしたとき、後方から前に向かって歩きながら大声を上げた。壇上にはカミラ王妃が座っていた。 ソープ議員は、「私たちの民」に対する集団虐殺があったと主張した後、「ここはあなたの土地ではないし、あなたは私の国王ではない」と叫んだ。 その後、式典は何事もなかったかのように終了。国王夫妻は議事堂の外に出て、待っていた市民らと会った。 ソープ議員は議事堂の外でBBCの取材に応じ、自分が抗議した理由について、「イングランドの王に、彼はこの国の王ではないのだとはっきり伝えたかった」、「主権を持つのは私たちだ。主権を持つにはその土地の者でなくてはならない。彼はこの土地の者ではない」と話した。 オーストラリアの首都キャンベラから、BBCのダニエラ・ラルフ王室担当編集員が報告する。