クマよけ木枠を開発 踏むとはまる、獣道に設置 高岡の長久さんと南砺の木工所
●福光で実証 歯科医師で発明家の長久巧一さん(77)=高岡市駅南2丁目=と南砺市土生(はぶ)の波多巌木工所が共同で、クマを人家などに近づけないようにする木枠の開発に乗りだした。クマが足を踏み入れるとはまる構造で、集落につながる獣道に設置して通れないようにする。福光地域の山間地で実証実験を始めた長久さんは「木枠を使って人とクマが暮らす場所を分けたい」と意気込む。 試作したクマよけの木枠は縦横が各1メートルで、10センチ四方の格子を組み合わせた。9月に木工所に近い山中に木枠と夜間も撮影できる暗視カメラを設置し、クマやタヌキなど動物が避けるかどうかを調べている。 長久さんが砺波市の山中で鳥獣被害の防止対策を学んだ際、動物には足がはまるような場所を嫌う習性があるのではないかと考えた。共同研究に取り組む波多巌木工所が木工技術を生かして木枠を試作した。 波多雅一代表取締役(59)は愛犬が格子になっている用水のふたの上を歩かないことを挙げ「動物は本能的に足がはまるのを嫌うのではないか」と話し、丸山清司社長(44)もクマよけの完成、普及に意欲を示した。 長久さんは「ながひさ歯科クリニック」の院長を務める傍ら、ケイ・クリスタル研究所の代表として約30年前から発明品を考え、特許出願を重ねている。 クマよけの開発について、長久さんは「とげ状の物を木枠に組み合わせるなど、工夫すべき点はまだまだある」と話し、将来は木枠をベルト状に並べるなど効果的な使用方法を考えていくとした。