本場フランスに似た環境? 温度一定の「ダムで保存した酒」
鳥取県湯梨浜町の東郷ダムで21日、ダム本体内の管理用通路に日本酒とワインが運び込まれた。通路は年間を通して温度が一定で酒の貯蔵に適しているといい、「ダムで保存した酒」と銘打って付加価値を持たせ、地域振興につなげる狙いだ。 【写真】ダムの施設内に運び込まれた酒=2024年6月21日午前9時51分、鳥取県湯梨浜町、清野貴幸撮影 搬入されたのは同町の「福羅酒造」の日本酒と、同町の農業杉本悟さん(44)のワイン。杉本さんはブドウを育て、企業に製造委託したワインを販売している。 酒の貯蔵は県が管理する東郷ダムが完成から20年の節目を迎えたことに合わせた取り組み。県によると、管理用通路は水面から約20メートル下にあることなどから気温が10度前後と一定で湿度も保たれている。 杉本さんによると、ワインにとっては本場のフランスやイタリアの貯蔵庫に似た望ましい保管条件で、最低1年ほど置いて熟成させることで独特の香りが生まれ、味がまとまるなどの効果が期待できるという。 この日は20周年記念で手作りのメッセージプレートを設置するため、地元東郷小学校の6年児童も式典に参加。あいさつした杉本さんは、「みんなが20歳になったら、熟成させたワインを一緒に飲みましょう」と笑顔で呼びかけた。(清野貴幸)
朝日新聞社