激闘必至の好カード! 横浜Eの4位再浮上か? S東京ベイが踏みとどまるか?
4強争いはすでにサバイバルレースに突入している。『NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24』第10節でディフェンディングチャンピオンと昨季3位が激突。横浜キヤノンイーグルスは6勝3敗でコベルコ神戸スティーラーズを勝点1差で追う5位に位置し、クボタスピアーズ船橋・東京ベイは4勝5敗・7位に沈んでいる。王者は4位神戸Sに勝点7差も離され、プレーオフトーナメント出場権争いの崖っぷちに追いやられているのだ。 【PHOTO】立川理道(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ) 横浜EもS東京ベイもキーパーソンにケガ人が出た。横浜EはSHファフ・デクラーク&CTBジェシー・クリエルの南アフリカ代表コンビが年明け早々に負傷し、手術を余儀なくされた。S東京ベイも南ア代表HOマルコム・マークスが『ラグビーワールドカップ2023』でのケガで今季はメンバー登録できず、オーストラリア代表76キャップの司令塔バーナード・フォーリーも第3節・静岡ブルーレヴズ戦で捨て身のトライを決めた際、頭部を強打し戦線離脱したままである。 もちろん、両チームともすぐさま次善策を打った。横浜Eはクリエルのケガから1か月後には南ア1キャップのCTBローハン・ヤンセ・ファンレンズバーグを獲得、S東京ベイもマークスの代役にニュージーランド代表90キャップのHOデイン・コールズに白羽の矢を立てた。だが、チームの核となる選手の不在は簡単には埋まらない。年々各クラブの戦力差が縮まったのも相まって、タフなゲームが続く。 厳しい戦いの中、横浜Eは踏みとどまり、S東京ベイは後退した。中断前の第6節・神戸Sに27-31の逆転負けを喫し、中断明けの第7節で東芝ブレイブルーパス東京に7-27の完敗を喫した横浜Eは、沢木敬介監督が「クソみたいなゲームをして、本当にガッカリしている」と喝を入れた。 するとチームは連勝。第8節・三重ホンダヒートに50-21で完勝し、第9節も静岡ブルーレヴズに先制トライを許すも、CTB梶村祐介の連続トライですぐさま逆転、34-17で2戦連続ボーナスポイントを獲得した。 それでも沢木監督は手綱を緩めない。三重H戦後、「うちに足りないところは、きつくなった時にソフトになる。今日も簡単なトライを取られたし、キックチェイスをさぼる選手やタックルの後起き上がるのが遅い選手がいた。強いチームにはそういう選手が少ない。望んでいるレベルへいくためには、そういう根っこの部分を変えていかないといけない」と叱咤した。 『トップリーグ』を含めて通算50キャップの節目となった静岡BR戦で、プレイヤー・オブ・ザ・マッチ(POTM)に選ばれた梶村主将も高い志を覗かせた。 「結果的にトライを取ったから選んでもらった感じ。もっとうまくできたところはあったし、POTMと言うほどのプレーができたかは少し疑問。ただ、今日は50キャップというゲームで取れたことは本当にうれしい」 一方、S東京ベイは2連敗後に2連勝した横浜Eと対照的な星取りとなった。第6節・ブラックラムズ東京戦は神戸S戦に続き劇的逆転勝利を手繰り寄せると、第7節・花園近鉄ライナーズに56-19の大勝。これで乗っていくと思われたが、第8節は三菱重工相模原ダイナボアーズに28-34の逆転負けを喫すると、前節もトヨタヴェルブリッツに27-31で競り負けた。 痛い連敗を喫したフラン・ルディケHCだが、試合後「前半はやるべきことをやり接戦だったが、重要な場面で相手にスコアされて、それがプレッシャーになったが、選手たちがギブアップせずに戦い続けてくれたことを褒めたい。最後に勝点1を取れたことは、今後重要になってくると思う」と終了間際敵陣深くのラインアウトモールからデビュー戦トライを叩き付けたアーリーエントリーのHO江良颯を称えた。 CTB立川理道主将も「タフな試合が続くので、ここから学びを得てまた次に向かって進んでいくしかないし、ここで下を向いてくよくよしている時間もない。しっかりと受け入れて、次に進んでいきたい」と前を向いた。 両軍の試合登録メンバーは以下の通り。 【横浜E】 1岡部崇人、2庭井祐輔、3杉本達郎、4マックス・ダグラス、5マシュー・フィリップ、6コーバス・ファンダイク、7嶋田直人、8アマナキ・レレイ・マフィ、9天野寿紀、10田村優、11竹澤正祥、12梶村祐介、13ローハン・ヤンセ・ファンレンズバーグ、14ヴィリアメ・タカヤワ、15小倉順平、16中村駿太、17安昌豪、18祝原涼介、19リアキマタギ・モリ、20シオネ・ハラシリ、21荒井康植、22エスピー・マレー、23イノケ・ブルア 【S東京ベイ】 1海士広大、2スカルク・エラスマス、3オペティ・ヘル、4ヘル ウヴェ、5デーヴィッド・ブルブリング、6ピーター・ラピース・ラブスカフニ、7末永健雄、8ファウルア・マキシ、9藤原忍、10岸岡智樹、11金秀隆、12立川理道、13リカス・プレトリアス、14根塚洸雅、15島田悠平、16江良颯、17紙森陽太、18北川賢吾、19JD・シカリング、20トゥパ フィナウ、21古賀駿汰、22廣瀬雄也、23ハラトア・ヴァイレア 果たして、横浜Eが再び4位に浮上するのか、S東京ベイがさらなる混戦に持ち込むのか。『NTTリーグワン2023-24』第10節・横浜E×S東京ベイは3月15日(金)・秩父宮ラグビー場にてキックオフ。チケット発売中。